三次元データを使ったさまざまなエンジニアリングサービスや、スキャナー・3Dシステムといった出入力デバイスの販売等をするAsahi Transnational Company Limited。2009年6月にタイで設立。創立10周年を迎え、今年を新たなスタートの年と位置付ける。清野浩Managerが、今後の成長分野の一つとして挙げるのが、アルミニウム、亜鉛のダイカストや鋳鉄、鋳鋼の鋳造工程で起こりうる欠陥や不良を事前に予想・判別する「解析シミュレーション事業」だ。本稿では、その解析シミュレーションシステムを構築した日立産業制御ソリューションズ・産業営業本部部長代理・谷本雅俊氏にも熱い思いを語ってもらった。
清野氏:鋳造シミュレーションシステム「ADSTEFAN(アドステファン)」は、日立産業制御ソリューションズ社が東北大学と産学協同で開発した設計支援ソフトウエア。鋳型内に溶融金属が流入することで生じる湯流れ・凝固過程を、コンピュータシュミレーションを使って解析・可視化し設計の初期の段階から欠陥を回避するための対策立案を助けます。
試作回数の低減、開発時間の短縮、コスト削減に貢献する画期的な設計支援ツールです。
谷本氏:アドステファンは、現在の安斎浩一東北大教授の研究室を中心に日本の主要な鋳造に関わる30社以上のベテラン技術者をメンバーとして発足したStefan研究会の7年もの研究成果をもとに、日立が99年に製品化を行ないました。以来、常にトップの鋳造シミュレーションシテムとして鋳造技術者の圧倒的な支持を得ています。
清野氏:例えば、鋳造時に溶融金属が金型内に十分に流れ込まないと予見できる箇所をシミュレーションにより解析。金型設計の初期段階で不良を修正することが可能です。また、凝固収縮に伴う「引け巣」と呼ばれる内部欠陥の発生なども予知することができ、設計の段階で対策を行うことができます。
谷本氏:なにより使い易さが本製品の最大の特徴です。CAEシミュレーションによる鋳造解析は、一般的に難易度が高いという印象を持たれます。ところが、アドステファンは操作行程を少なくするなどして、わずか1日のトレーニングでご利用がいただける設計となっています。視覚的で分かりやすいと好評です。
清野氏:日本語のほか、英語、タイ語、中国語の計4カ国語に標準対応しています。操作画面で簡単に言語切り替えが可能となりさまざまな国の人々が働くタイならではの仕様となっています。
谷本氏:取引先を通じてAsahi Transnational社と知り合いました。タイにおける販売取扱パートナーとして、ともにタイのモノづくり文化の発展に貢献していこうと考えています。
清野氏:鋳造解析がタイ国内で可能となるということは、今後、デザインを含む設計全般のニーズや難度の高い技術への挑戦が高まっていきます。モノづくりの大きな原動力となるアドステファンの魅力を一度ご体験ください。
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