高性能濾過装置であるエレメントレス・フィルターをタイで事業開始
15/08/2017
後藤 謙介
President
原点を忘れず環境・企業に良いものを
インダストリアは産業用フィルターなどを手掛けております。当初、社名である「インダストリア」は独自ブランドに冠された名前でした。本社社長である高橋一彰が、「日本の高い技術は、町工場が作り上げてきた。町工場を意味する“インダストリア”。この原点だけは、忘れずにいたい」との思いから2005年には社名にも採用されています。国内市場でのシェアは70%は、ひとえに皆様にご支持いただいたおかげです。
弊社のラインナップの中でも高い評価をいただいているのが、2003年に発表したエレメントレス・フィルター「フィルスター」です。独自技術を駆使し開発した高性能濾過装置である「フィルスター」は、通常、濾過装置機器内にあるエレメントを内包しておらず、遠心力や水圧を活用し瞬時に液体を浄化。その濾過精度は最大で98%になります。
またエレメントがないことで、メンテナンスの必要がなく、産業廃棄物ゼロを実現。さらにランニングコストとして想定されるフィルター購入費ならびに交換作業の人件費もゼロに抑えることができます。
導入したお客様の中には、年間2400万以上のコストダウンに成功した事例もあります。工作機械のクーラントや工場排水の濾過など、さまざまな場所でご活用いただいているのはうれしいですね。
当社は創業間もない頃から積極的に海外展開をしており、初進出先の韓国をはじめ、中国、香港、英国、インドネシアに進出。自動車などの産業集積地であるタイには14年6月に現地法人を設立しました。進出直後には自動車不振にも遭遇しましたが、「地球環境を見据えた市場の将来性に揺らぎはない」という信念のもと、ここまでやってきました。
今後の事業展望としては、当面のあいだ自動車市場を中心に据えてと考えていますが、いづれはタイローカル、ASEAN全体の水処理事業にも比重を置きたいという思いもあります。我々の水処理技術がタイをはじめ、ASEANの人々の役に立つことになれば、それ以上の喜びはありま
せん。タイを含む中進国や後進国は、まだまだ製造するだけで手一杯といったところ。産業廃棄物の処理まで考える余裕は、今のところ持ち合わせていません。
しかし、今後数年間でタイ、ひいてはASEAN市場での地球環境への意識・取り組みは確実に変わってくると考えています。
当社はこれからも「人と地球と企業とって良いもの」を提供し続けられるようにしていきたいですね。