肉眼での確認が難しい部品内部のクラックや気泡・傷などの検査には、X線検査機器が役立ちます。
なかでも、ZEISS製の計測用X線CT装置「METROTOM」は、X線検査を含む複数の測定をミクロン(μm)オーダーで行う事が出来る超高精度且つ高利便性の次世代型X線CT装置です。
三次元測定機で培われた空間補正技術と超高精度位置決めステージ、高解像度フラットパネルデテクタを採用し、従来の観察用X線CT装置とは一線を画し、寸法・形状・幾何公差を測定できるMETROTOM。欠陥解析の非破壊検査に加え、樹脂成型品やアルミダイカスト等複雑な工業製品の内部形状の構造比較や寸法の高精度測定まで幅広く最適なソリューションを提案します。
本稿ではZEISS METROTOMの特長や、他の計測器と比較したポイントなどをご紹介します。
高度なCT技術が搭載されたZEISS METROTOMは、1度のスキャンでワークの検査・測定を行います。高精度でスピーディーな測定が可能で小型~大型まで幅広い部品サイズに対応し、高解像度な画像データを取得することができます。
【ZEISS METROTOMの特長】
・広範囲を1回のスキャンで測定
一般的なX線CT装置では難しい高倍率と広範囲を両立し、効率的にワークをスキャンすることで、今までは分割して行っていたスキャンも、拡大率を下げることなく1回で完了します。METROTOM1500では、最大直径615mm/長さ800mmのワークまで測定可能です。(Z軸方向画像結合・オフセットスキャン時)
・高解像度で鮮明な画像
大型・高重量ワーク向け「1500 225kV」では新型3Kディテクタ*を搭載。ノイズの少ない鮮明な画像を素早くスキャンすることができます。
・CADデータと実際のワーク形状の比較が可能 ・非破壊でワーク内部構造の検査が可能 ZEISSは精密測定に関する多くの知識と経験を蓄積してきました。それら知識と経験はMETROTOMにも活かされています。 一般的には、欠陥検査用X線機器・寸法許容差測定用3D測定器・外観検査用顕微鏡など、測定項目によって測定器を使い分ける必要がありました。METROTOMを使用すれば、たった一台でこれら全ての測定データを取得することができます。 ZEISS METROTOMは測定業務・検査業務の幅広いタスクを一台で実行することができます。また、多様なワークに対応可能な大きな測定キャビネットを搭載した大型装置も展開しています。この一台の導入で、複数種の測定機器購入の必要がなくなり、コスト及び工数の削減に繋がります。
ZEISSタイのショールームにてMETROTOM実機を使用したワーク測定・検査のテスト・デモンストレーションを承っております。テストをご希望のお客様はお気軽にACCRETECHタイランドまでお問い合わせください。
▲ METROTOMを用いたワークの測定例
測定ワークの実際の寸法をCADデータと比較することができます。寸法誤差を色と3Dで表示し、視覚的な評価を可能にします。
例えば、青色はCADデータよりも小さく、赤色はCADデータよりも大きいことを示しています、そして緑色はOKデータを意味します。これにより、ユーザーは良品か不良品かを目視で判断することができます。
▲ METROTOMを用いたワークの比較例
アルミニウム・鉄などの各種材料から作られたワークの気泡、内部のクラックや欠陥有無を検査することが可能です。非破壊によりワークを無駄にすることがありません。
・ZEISS scatterControl
scatterControlとは反射や屈折したX線を除去するZEISSの独自技術で、画像を本物のように見せることで、画質向上ならびに高精度での寸法測定を可能にします。
▲ scatterControlを搭載したZEISS METROTOM内部
CMM技術を応用してソフトウェアを独自開発しました。これにより、ユーザーが毎年更新することなく、長期間ソフトウェアを使用することができます。さらに、世界中で使用されている国際基準に準拠した測定レポートを生成することができます。当社のソフトウェアはX線システムパッケージに既に含まれており、複雑な年間サブスクリプション料金を支払う必要はありません。
ZEISS METROTOMがコストパフォーマンスに優れている理由は?
ZEISS METROTOMの徹底比較
測定・検査 各種測定・検査機器 ZEISS METROTOM スピード CMM測定器
複数点を測定する必要あり、長時間要、一部の測定ポイントにアクセスできない場合もあり
たった一度のスキャンで全ての箇所の高速測定と3D画像の作成が可能
測定箇所へのアクセス 2D X線機器
入り組んだ箇所やアクセス困難な箇所は測定不可能
測定形式 3D X線機器
ワーク表面のみ測定可能
ワークを切断・破壊することなくワーク内部のスキャン・検査を行うことが可能
表面検査 顕微鏡
ワーク表面のみ検査可能。内部の気泡有無を検査するためにはワークの切断が必要
▲ ZEISS METROTOMを使用したワーク測定例
▲ 左からアクレーテク タナポン氏、ZEISSナタポン氏、アクレーテク 浅野氏
タイでX線CT装置をお求めの方、ZEISS METROTOMの導入をご検討中の方は、以下フォームよりお気軽にお問い合わせください。