タイの省エネに貢献してきたアネスト岩田サウスイーストアジア。弊社は、コンプレッサ・真空ポンプ・塗装機器などを製造し、ものづくりの現場を支える専門メーカーです。
2005年のタイ現地法人設立以来、日本の技術とノウハウを活かし、省エネや省力化のご提案を通じて、タイのお客様の工場運営を支援して参りました。
世界的に電気料金が高騰している今、生産現場での省エネはますます重要になっています。実は、工場で使用する電力のうち、約3割はコンプレッサで使用していると言われています。そのため、多くの工場において「どのようにしてコンプレッサの電気代を削減するか」が課題となっています。
一般的な工場においては、大型で高効率なスクリュー式エアコンプレッサをまとめて設置し、大きな配管で工場中にエアを送る「集中方式」が主流です。しかし、工場内で使うエアの量は常に一定ではなく、コンプレッサの出力の半分くらいしか使っていない時間が多いことが分かっています。このような場合、旧式のコンプレッサは空気の消費量が少ない時でも結構な電気を使ってしまうことがあります。
こうした問題を解決するため、エアの使用量にあわせて出力を調整できる「インバータ制御」タイプや、複数の圧縮機を組み合わせた「マルチステージ制御」タイプが登場し、省エネの新しいスタンダードになっています。
タイの工場で10年以上使われている古いスクリューコンプレッサは、「無段階アンロード」と呼ばれる制御を採用しているものが多く、エアの使用量が少ない時でも電力を多く消費してしまいます。
例えば、工場のエア使用量が平均60%であれば、インバータ制御コンプレッサに比べて、なんと20%も余分な電力を使っている可能性があるのです。
タイ国内にある工場では、2018年以前の生産量が多かった時代に合わせた設備を使用し続けているケースも多くあります。しかし、2020年以降は工場の稼働率が下がっているお客様が増えており、結果として設備が大きすぎてしまい、余分なエネルギーが発生しているケースが見受けられます。これにより、生産量が減っても電気代がなかなか下がらない、というお悩みもよく耳にします。
工場での「固定エネルギー」の代表的なものに、コンプレッサのアンロード運転による電力消費があります。これは、古いコンプレッサなどでよく見られる、必要がない時でもモータが動き続けてしまう状態です。インバータ搭載の新しいコンプレッサであっても、使用状況によっては同じように無駄な運転が発生してしまう場合があります。そのため、エア消費量が大きく下がった工場では、知らないうちに余分な電気代を払っていることも少なくありません。
こうした課題を解決するため、私たちは「分散設置」という省エネ手法をご提案しています。
これは、大型コンプレッサの稼働を必要最小限にとどめ、エアが必要な場所ごとに小型コンプレッサを配置する方法です。これにより、無駄な運転を削減し、工場の稼働状況に合わせた理想的な運転が可能となります。
また、生産設備ごとに必要なエア圧力が異なる場合も、分散設置によって柔軟に対応できます。例えば、高い圧力が必要な工程には専用の高圧コンプレッサを、エアブローなどには低圧供給に切り替えることで、さらなる省エネが可能です。
さらに、分散設置によりエア配管の見直しが進み、エア漏れ対策やメインコンプレッサのトラブル時のバックアップ体制構築など、さまざまな副次的効果も期待できます。
このような分散設置には、低騒音・低振動・コンパクト設計のスクロールコンプレッサが最適です。アネスト岩田のスクロールコンプレッサ(5.5kW以上)は複数台の圧縮機をパッケージ化し、消費量に応じたマルチステージ制御で、ムダなく最適な運転を実現します。
アネスト岩田では、お使いのコンプレッサの運転状況を無料でチェックし、それぞれのお客様にぴったりの省エネ対策をご提案しています。現在ご使用中のコンプレッサの電気代や運用方法が気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください!