2022年6月より、浜正タイランドは、日本アビオニクス(以下、アビオニクス)の溶接機器におけるタイ国内向け販売代理店としての活動をはじめました。以前より、タイでは同製品の引き合いが多く、今後のEV需要の高まりも見越して正式な代理店契約に至りました。
本稿では、2023年MEにてご紹介したスカラロボットを用いた溶接自動化ユニットおよび、アビオニクスの溶接製品の特長についてご紹介していきます。
<機器構成>
小型スカラロボット(ヤマハ) ×
パルスヒートユニット(日本アビオニクス)
ロボットが基盤(部品)を自動でピックアップし、パルスヒートユニットがはんだ付けを行うデモユニットです。パスルヒートユニット単体での使用ももちろん可能ですが、精密部品や基盤などの高精度加工、量産部品の加工などにおいては、ロボットを併用した自動化ユニットがおすすめです。
特に、小型で小回りの利くヤマハのスカラロボットは、アビオニクスの溶接ユニットとの相性もよく、基盤組み立てラインでの導入実績も多い製品です。
近年は、タイの人件費と比較しても導入メリットがあるほど低価格になってきています。
パルスヒートとは?
接合物を押さえて圧力を加えながらヒータチップに電気を流し、加熱することで溶接を行うはんだ付けの方式。別名「瞬間加熱方式」。一般的なはんだごては、「常時加熱方式」とも呼ばれる。
はんだ付けにおいて、導入コストや汎用性などの点でこれまでは“はんだごて”が主流でしたが、近年は製造工程の自動化需要や部品の高精度化などを背景に、パスルヒート方式への切り替えが増えています。
パルスヒート方式には以下のようなメリットがあります。
<パスルヒート方式活用のメリット>
・温度の立上がりが速く、溶接精度も高い
ヒータチップを局所的に熱することで一瞬で高温になり、節電にもつながる
・温度管理が容易
センサーで高精度に温度管理でき、プリ・メインヒートなど温度プロファイルが容易に実現できる。
・ 作業者の熟練度による精度のばらつきが少ない
はんだごてのように使用者の技術力を問わず、加工精度の再現性が高い。
繰り返し動作を得意とするロボットは、人手よりも安定生産に向いている上、精度の再現性も高いのが特長です。特に、精密はんだ付けにおいてロボットを用いた自動化ソリューションを導入することで、高精度な部品の量産加工を実現できます。
さらに、アビオニクスは、はんだ付けの中でも特に精密基盤や半導体部品向けの溶接機器として定評があります。今回のデモユニットは、タイで今後需要拡大が期待されるEV電装部品やバッテリー端子などの製造現場を想定して製作しました。
また、今後はこちらのデモユニットを用いて、実際のお客様のワークを用いた加工テストを行っていく予定です。浜正タイランドの経験豊富なエンジニアたちが加工テストから最適なソリューションの組み合わせ設計、実際の導入まで丁寧にサポート致します。
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