ステンレスネジが固着して動かなくなる「焼き付き」や「かじり」は、作業効率を大きく下げるトラブルです。
本記事では、ステンレスネジの焼き付き原因と効果的な防止策、さらに焼き付いた場合の対処方法を詳しく解説します。
焼き付きとは、ねじを締める際に発生する摩擦熱でねじ山が膨張し、金属同士が溶着して固着してしまう現象です。無理に締め続けるとねじが破断する場合もあります。
<ステンレスネジが焼き付きやすい主な理由>
✓ 摩擦係数が高く、熱がこもりやすい
ステンレスは鉄鋼材より摩擦係数が高く、一度発生した摩擦熱が局所的にこもりやすいです。
✓ 熱膨張率が大きい
加熱により雄ネジと雌ネジがさらに密着し、焼き付きを助長します。
また、以下の条件でも焼き付きが発生しやすくなります。
• 強い力での締め付け
• ネジ山への切粉・ゴミなどの異物混入
• ネジ山の表面粗さやバリなどの品質不良
• ネジと穴の位置ずれを無理に締め込む
• 高温環境での使用(屋外の夏場、暖房器具付近、溶接作業中など)
焼き付きを防ぐには、以下のポイントを実施することが重要です。
1. 適切な締め付け方法
・手動でゆっくり締め付ける
高速回転工具は摩擦熱を急激に上昇させるため避けます。
• トルク管理を徹底する
過度な締め付けは焼き付きの原因になります。
• ネジ山の清掃
切粉、ゴミ、バリを事前に除去することで摩擦を減らせます。
2. 潤滑剤の活用
潤滑剤を使うことで摩擦係数を下げ、焼き付きを防ぐことができます。
3. 特殊加工・コーティング済みネジの使用
あらかじめネジにフッ素系樹脂や潤滑剤をコーティングしたファスナーを使用すると、作業効率が向上し、焼き付きを防ぐことができます。
• 切断・ドリル除去 (完全固着時)
• 特殊浸透潤滑剤の使用
• ショックドライバーの使用
• 手動でゆっくり締め付ける
• ネジ山の清掃と潤滑剤塗布
• 特殊表面処理やコーティング済みネジの使用
阪神ネジ(タイランド)では、焼き付き防止対策や、最適な潤滑剤・特殊加工済みネジを取り扱っております。ねじにまつわるお困りごとは、当社までお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが状況に応じた最適なご提案をいたします。