


世界で初めてトランジスタポータブル魚群探知機を開発し、超音波による新しい価値を創出し続けている本多電子が、タイで超音波探傷映像装置(SAT)の販売を開始した。
細かなカスタム仕様と、超音波反射波形・断面図・平面図の3つを直感的に把握できる機能を設けた同製品について、本多電子株式会社の同製品担当 朝倉氏に話を伺った。
超音波の信号を送り、画像によって内部の気泡や剥離、異物を検査する非破壊の超音波探傷映像装置は、電子デバイスの欠陥の解析に多用され、いま堅調な伸びを示しています。とりわけ需要が高いのは、EVや自動運転、5G(第5世代移動通信システム)といった最先端の製品に利用されているセラミックコンデンサの分野です。
この分野では「不良ゼロ」が必須とされ、検査体制も抜き取り検査から全数検査にシフトしています。一点の瑕疵も許されない。そうした製品を検査する上で大きな力を発揮するのが超音波探傷映像装置なのです。
当社は、約50年前からこの超音波探傷映像装置を手掛けてきましたが、需要の拡張を見据えて8年前に製品のリニューアルに着手し、高度な画像処理技術を持つシステムインテグレータと手を組みました。超音波技術と画像処理技術。それぞれが得意とする2つの技術を組み合わせて実現したのが新モデルの超音波探傷映像装置です。
この分野にはすでに先行しているメーカーがいくつもあります。そこに後発として参入するにあたって、他社との差別化を図るため、カスタム仕様を強く打ち出しました。
例えば、5cmの角のサンプルを細かなピッチで操作しようとすると、1本のセンサではどうしても時間がかかります。そうした場合には4〜5本のセンサを付けた上で画像化し、時間短縮を図っています。検査に使用する水槽もどんなサイズにも対応しています。
また、通常は25メガヘルツの周波数で検査を行っていますが、サンプルの大きさや予想される中の欠陥の大きさによって周波数を変えることも可能です。超音波そのものを作る専門メーカーだからこそ可能な技術を生かし、従来になかった周波数の開発・提案も行っています。
お客様の要望に、かゆいところに手が届くきめ細かな仕様でお応えする。大手や先発のメーカーにはできない柔軟な仕様は当社のアドバンテージです。
もう一つの大きなアドバンテージといえるのが、Aスコープ(超音波反射波形)、Bスコープ(断面画像)、Cスコープ(平面画像)の3モード画面の同時表示機能です。検査対象物表面下の異常部の分布状態や存在、深さが一度に表示され、断面図を直感的に把握できるBスコープ機能は他社製品にも例がありますが、新たな工程や手間が必要なく、一度にA・B・Cの3つの画像の同時表示を可能にしているのは本多電子だけの特長です。
2023年1月、東京ビッグサイトで開催された見本市「ネプコンジャパン」にこの超音波探傷映像装置を出展したところ、Bスコープの表示に対しては「初めて見た」「深さ情報がよくわかる」「波形や平面画像だけではなく断面画像も一気に見られるのは便利」と多くのお客様から絶賛の声が寄せられました。
今回、タイで超音波探傷映像装置の販売にあたって、操作言語の英語対応を実現しました。
検査を通して得られた画像から欠陥を読み取るプロセスは、豊富な経験を備えた国内の技術者がオンラインや出張ベースで対応しますが、これからはタイでも技術者の育成を進めていきます。
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