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タイで太陽光発電システムを導入する際に注目すべきポイント
31/10/2025
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サムライアジア編集部

電気料金の高騰や環境対応への意識が高まる中、タイで太陽光発電を導入する企業は年々増加している。太陽光発電設備は長期間にわたり利用できる一方で、高額な投資且つ、PPA(電力購入契約)・レンタル・自己投資といった多様な導入方式が存在し、サービスを提供する事業者の数も非常に多いのが実情だ。
では、このように多くの選択肢が存在する中で、企業はどのような点に注目し検討を進めればよいのだろうか?

今回は、日本・タイ両国で太陽光発電事業に携わった経験を持つ ITC ENEX(Thailand)の篠原氏 に、企業が導入前に注目・確認するべきポイントを取材した。

          ▲ ITC ENEX(Thailand) 篠原氏


太陽光発電システム 導入チェックポイント

✓ 想定発電量
シミュレーションにおける各種係数が妥当か?
kWp単位あたりの想定発電量を比較し、事業者間で大きな差異が無いかを確認する。

✓ 事業者
しっかりコミュニケーションが取れる、信頼できる事業者かどうか。
担当者に対して感じる“誠実さ” “信頼感”などのフィーリングも重要。

✓ 導入形態
初期投資の有無を軸に各形態の特徴を理解し、自社の要望と合致したサービスがどれかを見極める。

✓ 機器の選定
できるだけ財務体質の良い会社の製品を採用する。
Bloomberg社による太陽光パネルメーカーの金融的信頼性評価の最上位(Tier1)メーカーの製品を選ぶことを推奨。

✓ 特殊要件の有無
電力会社による制約がないか要確認。
民間の発電会社から電力供給を受けている場合は何かしらの制限や制約が設定されている可能性がある。



多くの選択肢が存在する太陽光発電システム

編集部
近年、タイでは企業や個人の間で太陽光発電の導入が広がっていますが、導入検討を進める上で企業が注目、確認すべきポイントはどのようなことがあるでしょうか?

篠原氏
太陽光発電設備の導入は経済性と環境性を両立でき、企業のカーボンニュートラルに向けた有効な手段の一つとなっています。
一方、比較的高額な投資となり、長期間にわたり利用するものであるため、導入検討時にはしっかりポイントをおさえることが大切です。 特に注目すべきポイントは 「想定発電量」「事業者」「導入形態」「機器の選定」「特殊要件の有無」 と考えます。


発電量のシミュレーション ― 現実的な数値であるか確認


編集部
ではまず、「想定発電量」について教えてください。どのような点に注目すべきでしょうか?

篠原氏
当然ながら、発電量は投資もしくは導入したサービスの収益性に大きく影響し、特に企業にとっては事前の計画から実績が大きく下振れすることは避けたいはずです。
太陽光発電は天候に左右されるという特性があるため、発電量を完全に予測するのは不可能ではありますが、事前に確認することでこのリスクを低減できる要素もあります。
まずは、シミュレーションにおける前提が妥当か確認することが大切です。事業者に発電量の前提の根拠を確認したり、実際に導入している企業の発電状況を共有してもらうなどして確認することができます。
また、複数社から提案を受ける場合は、kWp単位あたりの想定発電量※を比較し事業者間で大きな差異が無いかを確認することは有効です。
※年間発電量(kWh)÷ 太陽光パネル容量(kWp)

基本的に、最新かつ主流メーカーの製品であればパネルやインバーター、または事業者によって発電効率が大きく異なることは無いはずです。大きい差が出ている場合は、各事業者がシミュレーションを作成する際の係数、考慮する要素に違いがあると思われます。その要因を突き詰めて、自社の納得のいく係数で再シミュレーションとすることで、導入後の実績下振れリスクを低減することができます。


事業者選定 ― 長期的目線で考える


編集部
事業者を選定するにあたってどのような点に注目するべきでしょうか?

篠原氏
もちろん初期投資の金額、サービスの料金も事業者選定の大切な要素ではありますが、それ以上にしっかりコミュニケーションが取れる、信頼できる事業者を選定することが最も大切と考えます。
太陽光発電設備を設置する際には、事業者と綿密な打ち合わせや申請業務が必要です。自社敷地内での数ヵ月間の工事期間を経て、その後長年にわたり設備を保守・管理しながら利用することを考えれば、自社の要望をしっかり把握し対応してくれる、トラブルが発生した場合も協力して対応してくれるということが安心感につながり、長期的な目線でのメリットとなると考えます。
そのために、事業者の会社としての信用はもちろんのこと、導入を検討するにあたって企業側の担当者様が事業者に対して感じる“誠実さ” “信頼感”などのフィーリングも、事業者選定の一要素として取り入れても良いと考えます。


導入形態 ― 各種サービスの特徴を理解

編集部
太陽光発電関連のサービスが成長したことにより、企業側は様々な導入形態から選択できる時代となっていますが、逆にそれが混乱を生む要因ともなっているように感じます。企業はどのように検討を進めるべきでしょうか?

篠原氏
太陽光発電設備の導入形態は大きく分けて2つあります。「自社で設備を購入する方法」と、「初期投資不要のサブスク型」が存在します。いずれもさらに細分化できるのですが、まずは初期投資の有無によって大別し、それぞれの特徴を理解されることをおすすめします。 そのうえで、自社の投資方針や長期事業計画、または企業風土によって好みも分かれますので、自社の要望と合致したサービスを把握することが大切かと思います。

▶レンタル・PPA・自己投資を比較


機器の選定― 自社の方針と合致したもの


編集部
機器の選定についてはどのような点を重視すべきでしょうか?

篠原氏
現状、世界的に販売量の多いメーカーの最新モデルであればほとんど性能・保証内容に差はなく、一般的に利用される機器に関しては既にコモディティ化され、ここ数年で画期的な進歩というのは無い印象です。
そのような状況の中でまずは価格が大きな判断材料となると思いますが、それ以外にはメーカーの信用性も考慮すべきです。 特に太陽光パネルは長期間の保証が付いていますが、将来メーカーが無くなっていたら保証も意味を成しません。ほかの発電設備と比較して故障が少ない太陽光発電設備ですが、将来的なリスクを低減するために、少なくとも足元で財務体質の良い会社の製品を採用することは重要と考えます。
一つの基準として、Bloomberg社が四半期ごとに世界中の太陽光パネルメーカーの金融的信頼性を評価しており、その中で最上位(Tier1)に位置付けられているメーカーの製品を選ぶことが一般的となっています。


特殊要件の有無

編集部
特殊要件とはどのようなことがあるのでしょうか?

篠原氏
タイにおいて多いケースとして、電力会社による制約があります。
国営の電力会社から電力を供給されている場合、基本的に太陽光発電設備の設置は問題ないのですが、民間の発電会社から電力供給を受けている場合は何かしらの制限・制約が設定されている可能性があります。
また、レンタル倉庫/工場の場合もオーナーとの契約で何らかの条件、制限が設定されている場合がほとんどです。
ただし、いずれも完全に太陽光発電設備の導入が不可という事ではありません。追加の機器を設置したり、制限内で導入するという方法もあります。


自社の設置可否や導入効果をシミュレーションすることは導入の第一歩

編集部
本日お伺いした内容を踏まえて、最後に読者へメッセージをお願いします。

篠原氏
まだご検討を開始されていない場合、興味本位でも結構ですので、まずはお気軽にご相談ください。自社の設置可否を確認し、太陽光発電設備を導入したらどれほどの効果を期待できるのかを知る、ということが検討の第一段階だと考えます。
現在すでにご検討中の企業に関しましても、新たな選択肢としてぜひ当社にお声がけください。「透明性のあるシミュレーション」「丁寧な説明」「ご要望にお応えする提案」を心がけており、導入後のサポート体制も整っております。



タイで太陽光発電システムの導入をご検討の方は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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