本記事では、タイにおいて工場やオフィスの新設・増改築を手掛けるカズサタイランドの施工事例として、錆びからくる雨漏りに悩んでいた工場の二重屋根施工の例を紹介する。
プラスチック切削加工の専門企業、テクノプラスト(タイランド)は、愛知・名古屋に本社を構え、2014年にタイへ進出。MCナイロン/POM/PEEKなど多様な樹脂に対応し、温度管理や高精度な三次元測定技術を駆使して、少量多品種の高精度部品を提供している。
板材切削、旋盤加工、アニール処理まで一貫対応する加工体制を持ち、試作から量産まで幅広く対応する。
同社が2020年に建設した工場では、建屋が比較的新しいにもかかわらず屋根に錆が発生し、雨漏りが複数箇所で確認された。穴が開けば都度補修するという応急対応を繰り返していたが、根本的な改善には至らなかった。さらに暑さ対策の必要性も高まり、屋根の改修が急務となった。
屋根全体を張り替える方法も検討されたが、工場を一時停止せざるを得ず、生産への影響が避けられない。他の業者が張り替え提案をする中、カズサタイランドは「二重屋根工法」を提案した。既存の屋根の上から新たな屋根材を重ねる方法で、工場の稼働を止めることなく施工が可能なうえ、断熱性や防音性も向上するというメリットがある。
この提案により、テクノプラストは複数社の相見積もりの中からカズサタイランドを選定。
施工は2024年12月に完了し、雨漏りと暑さの問題を同時に解決した。
屋根の錆の原因として、工場の周辺環境が起因する可能性があり、カズサタイランドはこの点も踏まえ、定期的な清掃や鉄板保護塗料の塗布といったメンテナンスのアドバイスも行っている。
カズサタイランドによる二重屋根の実績は豊富で、古い事例では施工後7〜8年が経過しても良好な状態を保っている。
初動の対応の速さ、納期の柔軟さ、そして施工後のサポートまで、カズサタイランドの対応力は高く評価されている。工場を止めずに改修を実現し、環境改善にもつながった今回の事例は、タイ国内で二重屋根の有効性を再認識させる好例といえる。