本記事では、タイにおいて工場やオフィスの新設、増改築、修繕などを手掛けるカズサタイランドの施工事例として、既存工場内に2階建てのメザニンフロアを施工した事例を紹介する。
タイ・チョンブリ県に拠点を構える森田製作所(MORITA SEISAKUSHO (THAILAND) CO., LTD.)は、自動車用端子の製造を手がけるプレス加工メーカーである。1950年に日本で創業して以来、60年以上にわたって培ったノウハウをベースに、2013年にはタイ法人を設立。2014年から稼働している現地工場では、ボディアース端子やバスバー、HEV向けの高圧端子などを製造し、日本やASEAN各国へと製品を届けている。
今回、MORITA SEISAKUSHO (THAILAND) CO.,LTDでは工場内のスペース活用を見直し、生産体制の強化を目的としたメザニンフロアの施工を実施した。プロジェクトを担ったのは、タイでの建設実績が豊富な日系建設会社・カズサタイランドだ。工場やオフィスの設計・施工に加えて、鳥害対策や暑さ対策といった幅広いソリューションと提案力を併せ持つ施工会社である。
メザニンフロアの施工は2024年4月にスタートし、同年8月に完成。広さは約10メートル × 20メートルで、2階には倉庫とオフィス機能を設けた。重い資材の上げ下げを考慮し、リフター(昇降機)も設置されている。
施工後には倉庫スペースのさらなる拡張も実施。あわせて複数個所に換気扇を設置し、作業環境の改善にも配慮した。さらに梱包材の収納用に、耐荷重を考慮したオリジナル棚の製作も行っている。
進行中は「週間レポート」を通じて、現場の進捗状況や課題が共有された。
細やかな報告があったことで、森田製作所側も安心してプロジェクトを任せられたという。
施工パートナーとしてカズサタイランドを選んだ理由には、いくつかのポイントがある。
まず他社と比較した際に、価格面での優位性が際立っていた。加えて、建設の知識を持つ第三者の立ち会いによって、品質や材料についての信頼も得られた。単に安価というだけでなく、しっかりと信頼できる内容だった。
さらに決め手となったのが、メザニンフロア施工の豊富な実績と、担当者である二木氏の提案力だった。これまで20件以上の同種工事を経験しており、現地を丁寧に確認した上で、どのようにスペースを活用すべきかを的確に提案してくれたという。
「日本人ならではの感性と気配りが行き届いていた」と、森田製作所(タイランド)池山MDは語る。
「こういうことができたら便利かも」といった思いつきでも、現実的なプランに落とし込んでくれる柔軟さと引き出しがカズサタイランドにはある。
代表者である二木氏自らが現場をしっかり見て、理想と実現可能性のバランスを見極め、最適な“落としどころ”を探る。それが、カズサタイランドの真価だ。
現在、森田製作所ではさらなる工場の増築計画も進行中であり、今後も両社のパートナーシップは続いていく。今回の取り組みの事例は、限られた工場スペースを最大限に活かしたいと考える製造業企業にとって、ひとつのヒントとなるはずだ。