
本記事では、タイにおいて工場やオフィスの新設・増改築などの建設工事を手掛けるカズサタイランドの顧客事例として、工場と倉庫の新築工事を行った事例を紹介する。

加藤工業所は栃木県鹿沼市に本社を構えるアルミリサイクル事業を中核とするモノづくり企業だ。アルミ事業の他にも、使い捨てカイロの原料となるセルロシンや肥料などの製造の他、レストランやゴルフ練習場の運営、錦鯉やチョウザメの養魚など幅広い事業を手掛けている。
タイ法人KATO KOGYOSHO (THAILAND) CO., LTD.(以下、加藤工業所タイ)は、アルミ再精錬を主事業としており、アルミドロスを再溶解しアルミインゴットを生成、また副産物であるアルミ灰を 鉄鋼用副資材やセメント原料へリサイクルする、資源循環型ビジネスを展開している。 本プロジェクトでは、カズサタイランドが加藤工業所タイの第3工場建屋の設計から施工管理まで一貫して対応した。 特徴的なのは、単なる工場建設にとどまらず、「運用効率」と「将来性」を両立した設計思想である。まず、ローディングエリアには大屋根を設け、フォークリフトやトラックによる荷積み・荷下ろし作業を効率化している。雨天時でも作業が継続可能な設計とすることで、タイ特有の気候リスクにも対応できるようにした。 また、建屋配置においては、ローディングエリアと駐車場の間にあえて余白を設けることで、将来的な増築やライン追加に柔軟に対応できるレイアウトとした。通路を含めて生産エリアへ転用可能な設計は、長期的な事業拡大を見据えた重要なポイントである。 総面積4,185㎡の第3工場は「工場+倉庫+オフィス」の複合機能を持つ建屋として設計されている。 • 2階オフィスの全面ガラス化 • 拡張前提のゾーニング設計 
▲ 稚魚から約8年育ててようやく完成したオリジナルブランドキャビアTOCHIGICAVIAR「K」
同社はタイにおいても事業拡大を続けており、アルミリサイクル分野で主要プレイヤーの一角を担う存在である。

タイにおける工場・倉庫新築工事のポイント|拡張性と運用効率を両立する設計
加藤工業所タイは、工場・倉庫・事務所を含む2つの建屋を有していた。
第1工場(約2,100㎡/完成2013年)
第2工場(約1,700㎡/完成2019年)※カズサタイランドが施工
今回の第3工場はさらなる生産能力向上を目的とした新築プロジェクトである。

▲ 左から、第3工場・第1工場・第2工場


工場・倉庫・オフィス一体型建屋の設計とは|生産性と将来拡張を両立
特に注目すべき点は以下の通りである。
• 広大な無柱空間
大型設備の導入やレイアウト変更に柔軟に対応可能 
将来的な省人化・遠隔オペレーションを見据え、現場の視認性を確保 
将来的なライン増設や設備追加に対応可能な余白設計
これらは単なる建設ではなく、「成長する工場」を前提とした設計であり、製造業の中長期戦略に直結する要素である。さらに敷地内のフェンスは、顧客とタッグを組み、同社が再精錬したアルミインゴットからつくられている。環境に配慮したリサイクル材料の活用という点でも象徴的な建築となっている。

カズサタイランドを選定した理由として、加藤工業所タイの加藤氏は以下のポイントを挙げている。
• 第二工場での施工実績による信頼感
• 設計から施工までタイ国内で設計・施工が完結することによるコストメリット
• 要望に対する現実的かつ高品質な提案力
• 迅速な対応と密なコミュニケーション体制
「毎週の定例ミーティングを通じて、頭の中で描いているビジョンを的確に具体化していただけました。課題や要望に対しての落としどころの提案が秀逸で、カズサタイランドは問題解決力がとても高い信頼できる施工会社だと感じています。アフターメンテナンスやフォロー体制も充実しており、“建てて終わりではない”長期的な関係を構築できています」(加藤工業所タイ 加藤氏)
本事例は、タイにおける工場・倉庫新築工事において、「拡張性」「運用効率」「将来対応力」をいかに設計に落とし込むかを示した好例である。
製造業において、設備投資は単なる建設ではなく、事業成長の基盤そのものである。カズサタイランドは、こうした視点から設計・施工を行い、企業の成長戦略を支えるパートナーとして機能している。
タイでの工場新設や増築工事を検討している企業にとって、本事例は有益な指針となるだろう。
【取材協力】 
▲左から、カズサタイランド二木氏、加藤工業所 加藤氏・加藤社長・小倉氏

株式会社加藤工業所
加藤 栄 Sakae Kato
代表取締役社長
KATO KOGYOSHO (THAILAND) CO., LTD.
加藤 貴則 Takanori Kato
Vice President
小倉 俊介 Shunsuke Kogura
Factory Manager
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