「製品や金型の現物から図面を復元したい」
「実際の製品と図面データが正しいかどうかわからない」
昨今、タイでもこのようなご相談を受けることが多くなりました。
当社KGK エンジニアリングタイ(以下、KGK)では、そのような問題を解決すべく、タイで『リバースエンジニアリング』の技術提供を行っています。今回は、協業先であるナリムネ・テクノエンジニアリング(タイランド)(以下、ナリムネ)の技術力とサービスについてご紹介していきます。
ナリムネは、自動車部品などの試作部品を製造する成宗製作所のタイ法人で、本社で使用する製品の設計・CADなどのデータ作成を主に行う目的で設立されました。
タイでは、ノギスによる測定が主流だった2001年当時に、いち早くスキャニングの普及活動を始めており、タイにおけるリバースエンジニアリングの先駆者でもあります。
今回ご紹介するリバースエンジニアリングだけでなく、高精度なデジタルエンジニアリングサービスを総合的に提供できるタイでは希少なメーカーです。
タイのモノづくり現場にむけて、特に推奨したいリバースエンジニアリング活用用途は主に以下3つです。
1)現物からデータを図面化
高品質な製品づくりのために、製造過程で仕様に変更が入ることは珍しくありません。しかし、その製品をタイで製造する際、サンプル品しか情報がなく、変更後の図面がないこともしばしば。
このような場合に、サンプルをスキャンニングしてデータを抽出し、新たに図面を作成することが可能です。
2)図面と製品の相違点の検証
例えば、最初に日本で図面作成と製品製造を行い、それを元にタイの工場で製造依頼した場合、品質の違いで同じ製品がつくれないことがあります。
リバースエンジニアリングを活用することで、原因となる細かな相違点を見つけることができます。
3)図面データや金型・部品のバックアップ
金型や機械の部品などには寿命があります。あらかじめこれらのデータをバックアップしておくことで、迅速な対応が可能になる。特に古いモデルの金型の場合は在庫がないことも多く、すぐに代替品を用意できないケースも少なくありません。そのため、データだけでなく現物も保有しておくことが推奨されるのです。
「現在、タイでは1の現物からのデータコピーや復元用途が主流ですが、今後は品質向上や製品開発などに役立てる『解析』分野を伸ばしていきたいのです。解析ができる技術者がタイで増えることによってタイのモノづくり産業そのものの品質底上げができるでしょう。そういった意味で、当社ではお客様への技術提供だけでなく、人材育成にも力を入れています。現在、タイ人エンジニアは20名弱在おり、高度な知識や技術を有しています」
(ナリムネ鈴木氏)
ナリムネが提供する3Dエンジニアリングサービス(リバースエンジニアリング)には、以下のような強みがあります。
「リバースエンジニアリングの要は計測です。当社は計測技術に自信を持っていますので、その証明として重要な項目についてはチェックリストを作成し、提出しています。基本的に、データ解析は半日ですべて終わらせます。問題があればお客様にすぐにフィードバックすると同時に、どこを改善すればいいかを提案しています」(ナリムネ鈴木氏)
エラーが出るポイントをあらかじめ予測し、正確に指摘できるのは、これまでの経験と実績が
あってこそです。今後も、当社KGKとナリムネは、相互に協力し合いながらタイのモノづくりの品質レベルの底上げに貢献していきます。
Narimune Techno Engineering (Thailand) Co., Ltd.
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