株式会社大川原製作所(本社:静岡県)は、熱を活用した独自の加工技術を強みとし、食品・医薬・化学業界向けにさまざまな装置を提供してきました。1927年の創業以来、お茶製造関連の機械から始まり、乾燥機や濃縮装置、殺菌機など多岐にわたる製品を開発しています。
同社社長の大川原行雄氏は、FOOMA(日本食品機械工業会)の会長も務める人物です。
現在、タイ市場への販促強化および事業拡大を視野に入れ、2025年に現地法人「OKAWARA Machinery (Thailand)」の設立を予定しています。
今回KGKからご紹介するのは、大川原製作所が誇る濃縮装置「エバポール」です。
エバポールは遠心式薄膜真空蒸発装置であり、35℃という低温で濃縮を行うことが可能です。
通常の濃縮装置では60〜80℃程度が限界とされていますが、エバポールは独自の遠心力技術を活用することで、熱に敏感なビタミンや香料などの成分を保持したまま短時間で濃縮できます。さらに、発泡がほとんど発生しないため、加工中の品質低下を抑えることができます。
濃縮装置『エバポール』の特長
✓ 35℃の低温で濃縮可能 – 熱に敏感な成分の品質や風味・味を保持可能
✓ 滞留時間が1秒程度 – 短時間で迅速な処理
✓ 沸騰による発泡がほとんど発生しない – 加工中の品質低下を抑制
✓ 洗浄が容易 – タンク型ではなく分割構造で内部洗浄がしやすい
✓ 高濃度濃縮にも対応 – 3~25倍程度の濃縮倍率により、低価格原料でも付加価値を向上
✓ コンパクト設計 – 設置スペースが小さい
エバポールは高濃度濃縮にも対応しており、濃縮倍率3~25倍程度を実現しています。これにより、原料の付加価値を高めることが可能となります。例えば、タイ産のスイカやパイナップルなどの果物も、濃縮加工を施すことで商品価値を飛躍的に向上させることができます。
タイではキングモック大学のラボにエバポールのデモ機を設置し、現地企業向けに試験提供を行っています。タイ現地でのテストが可能なため、輸送や腐敗リスクを回避しながら、食品や植物の濃縮テストが行える点も大きなメリットです。
タイにおける実績としては、これまでタイ国内では飲料メーカーをはじめ食品業界向けにエバポールを5台納入しており、特に果物ジュースやハーブの抽出液などで高評価を得ています。
ただ装置を納入するだけでなく、当社KGK-ETと大川原製作所の協業により、タイ国内でのアフターサービスやメンテナンス体制が強化されています。現地法人設立後は、より迅速な部品供給や技術サポートを提供していきます。
併せて、『KPU(気流式殺菌装置)』にも注目が集まっています。
KPUは過熱水蒸気を用いた瞬間高温殺菌装置で、食品の色や香りを損なわずに殺菌が可能です。
タイではマヒドン大学への納入実績があり、食品の殺菌などにも利用されています。
大川原製作所とKGKの協業により、東南アジア市場向けの濃縮装置や殺菌機のご提案を進めています。
<2025年 大川原製作所展示会出展情報>
6月 ProPak Asia 2025(BITEC, HALL102@FOOMAゾーン [AH18] )
9月 Fi Asia Thailand 2025(QNSCC, HALL4@Japan Pavilion [U31] )