山本金属製作所の加工モニタリングIoTソリューション

タイの量産切削加工現場では、以下のような課題が依然として多く見られます。
▲工具寿命が安定しない
▲加工条件が属人化している
▲異常発生の予兆が把握できない
▲設備保全が事後対応になっている
これらの背景には、「加工現象が定量化されていない」という本質的な問題があります。
KGK Engineering (Thai) Co., Ltd. では、この課題に対する解決策として、山本金属製作所が開発した加工モニタリングおよびセンシング技術をタイ市場に提案しています。

精密加工の現場から生まれた“定量化”技術
山本金属製作所は、精密部品加工を中核事業とする山本金属グループの開発拠点です。グループ全体の売上の約8割を部品加工が占め、自動車、エネルギー、半導体製造装置、航空・宇宙、医療分野まで幅広い加工実績を有します。
加工現場で培った知見をもとに、「温度」「振動」「切削力」「負荷」といった加工現象をリアルタイムで取得するIoTデバイスを自社製品として開発、展開してきました。
山本金属製作所の独自開発ソフトウェア・IoTデバイス
| 専用ソフトウェア Advanced Control® | |||||
| ASM | i-flash® | i-stir | b-series | COOL-i® | MIRS® |
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| Advanced Sensing Model 加工中の温度・ 振動のモニタリング | 振動の高速サンプ リングによる 加工現象診断 | FSW中の温度・負荷を測定 | BOX型無線加速センサモジュール | クーラントモニタリングシステム | 高精度内部残留応力測定 |
また山本金属製作所は、切削加工だけでなく摩擦撹拌接合(FSW)分野にも高い技術力を有しています。
従来は専用機での加工が一般的とされてきたFSWについても、マシニングセンタでの実績や受託試験を重ね、接合時の温度・負荷を定量的に評価する技術を蓄積しています。こうした切削・接合の両分野にまたがる加工理解が、同社のセンシング技術の強みにつながっています。
切削加工を“見える化”する「MULTI INTELLIGENCE®」
IoT主要デバイス製品となるのが、加工中の温度・振動・力をリアルタイムに計測するIoTデバイス「MULTI INTELLIGENCE®」です。
MULTI INTELLIGENCE®の主な特長
✔ 加工中の温度・振動・力をリアルタイムに計測
切削中に発生する加工現象を数値として取得し、感覚に頼らない判断を実現
✔ 工具刃先に近い位置での高精度センシング
クーラント使用下でも刃先温度を計測でき、実加工に即したデータを取得可能
✔ 工具寿命・異常の兆候を定量的に把握
刃具折損や製品不良に至る前の変化を捉え、予兆検知や条件最適化に貢献
✔ CNC連携による適応制御に対応
専用ソフトウェア「Advanced Control®」を通じ、加工停止や条件変更などの制御が可能
✔ 量産加工のコスト削減に直結
リスク回避で早めに工具交換していた運用を見直し、工具寿命の最大化(コスト削減)を図れる
取得データは専用ソフトウェア「Advanced Control®」で解析可能。加工条件の最適化、加工品質向上、工具寿命の最大化に直結します。 中でも量産切削加工向けとして注目されているのが、以下の2製品です。 これらにより取得したデータは、加工条件の最適化、工具寿命の判断、異常検知や予兆保全など、量産現場のコスト削減に直結する活用も期待できます。 もう一つの重要なソリューションが、クーラント管理システム「COOL-i®」です。 
▲温度や振動などの計測結果イメージ
量産現場向け主要デバイス
① ASM(Cutting Version):工具刃先の温度と振動を同時に計測
② b-lex(b-series):据置型の無線振動センサで設備や加工状態を監視 
▲左:ASM 右:b-series
特に、量産加工では、安全を優先して“早め交換”を行うケースが多く見られますが、本システムにより根拠ある工具交換判断が可能になります。
クーラント管理を自動化する「COOL-i」
濃度(Brix)、汚染度、pH、温度などを常時監視・記録し、従来は手間のかかっていた管理作業を大幅に削減する、市場にも類似品の少ないほぼ無い製品です。 
COOL-iの主な特長
✔ クーラント状態の常時モニタリングし管理工数を大幅削減
✔ 「汚染度」を含めた各種管理項目の数値化によるトレーサビリティ確保
✔ 管理の形骸化・作業者バラつきの解消
クーラントの状態は加工精度や工具寿命に直結するため、量産現場では特に有効なソリューションです。
従来の手作業による管理から脱却し、 KGKでは、導入後のデータ活用や条件検証を通じた切削加工改善まで含めた提案を重視しています。
▲各測定項目の結果が一目瞭然
✔ 管理工数削減
✔ 数値によるトレーサビリティ確保
✔ 作業者間のばらつき解消
を実現します。
加工現場全体の“見える化”を進めることで、品質安定化と工具寿命延長の両立を可能にします。
KGK-ETが提供する“導入後”まで見据えた支援
山本金属グループの加工ノウハウとセンシング技術を活かし、タイの量産加工現場における「感覚頼み」からの脱却を支援していきます。

▲METALEX2025に出展した、山本金属製作所スタッフ一同(左:松田氏)
【取材協力】

株式会社山本金属製作所
松田 亮 Ryo Matsuda
販路開発企画室 海外販路G(営業部・研究開発G兼任)
タイで切削加工条件の最適化や加工品質安定化に関心をお持ちの方は、お気軽にKGK-ETにご相談ください。
