


2020年12月16日、Kobelco Research International (Thailand) (タイコベルコ科研/以下KRIT)にて、Sompo Insurance (Thailand) (以下、SOMPOタイ)のスタッフ11名が参加するワークショップが行なわれた。
ワークショップの講師は、工学博士でもあるKRITの大迫 達也(おおさこ たつや)MDを筆頭に、同社のタイ人技術スタッフの面々。
SOMPOタイの調査員が行なう保険の査定は、大きく分けて自動車と火災の二つだ。KRITの科学的な調査事例からどのようなことがわかるのかを学び、実務に役立てるのがこのワークショップの狙いである。
「科学的な分析で得られる確かなエビデンスに基づく査定は、まだタイでは一般的ではない」とSOMPOタイの早川昌成(はやかわ まさなり)テクニカルアドバイザーは言う。
「タイでも、自動車事故や火災時の原因を分析し、科学的なエビデンス(※証拠・根拠、証言、形跡などを意味する英単語 "evidence" に由来する、外来の日本語)に基づく査定手法が認知されると、競合他社も含め業務がやりやすくなる。(早川氏)」
自動車事故でも火災事故でも、1件ごとに発生する環境や状況が異なるために、「計測、分析評価・解析のルーチン化は難しい」と語る大迫MD。
まずは発生状況の詳細をヒアリングし、客様の調査目的を明確にした後に、アプローチの仕方を考え、様々な手法を提案するのだという。
今回はSOMPOタイのためのワークショップということで、保険査定に関連する代表的な調査事例が紹介された。
①自動車関連
⒈ 金属の破面調査(疲労、脆性、延性破壊の相違)
⒉ 鉄さびの識別(鉄さびの種類)
⒊ 車両外装部への異物付着、車両衝突の異同識別(塗料の識別)
⒋ CFPR(炭素繊維強化樹脂)部品の破損調査
②火災関連
⒌ 火災現場からの油性の検出(ガソリン、灯油、軽油、バイオディーゼル燃料)
⒍ 電気火災例
③その他(素材の異同識別、文書、食品など)
⒎ 塗膜などの表面劣化調査
⒏ 樹脂付着物の同定、多層フィルムの各層の識別
KRITでは今後もワークショップを開催し、科学的な計測や分析・解析などを用いた問題解決の手法を、いろいろな業種へ浸透させていく予定だ。
① 市場不具合品の調査
② 工程内での不具合品の調査
③ 生産設備の破損、異常発生時の調査
④ 現地調達材、海外材の出来栄え調査
⑤ 乗用車、商用車、オートバイ等の研究開発・品質保証・製造分野
⑥ OA機器、空調機器の開発、品質保証、製造分野
⑦ 機能部品や単品部品、表面処理、金型等の開発、品質保証、製造分野
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小林 Kobayashi
Mobile: +66(0)80-060-7353
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