KOHO PRECISION BAR AND METALSでは、高い切削性でご好評をいただいている快削炭素工具鋼「SK4F-G」に加え、鉛フリー仕様の新製品「SK4F-G-E」の取り扱いを開始いたしました。
今回は、環境負荷低減に特化した「SK4F-G-E」の特長についてご紹介します。
「SK4F-G-E」は、鉛(Pb)を一切使用しない完全鉛フリーの次世代型工具鋼です。
環境規制の強化が進む中、RoHS IIやELV指令といった国際的な環境基準に適合しながら、従来品と同等以上の加工性・性能を実現。持続可能なモノづくりを支える新しい選択肢として注目されています。
【主な特長】
✓ 完全鉛フリー(Pbフリー)
環境や人体への影響を考慮し、鉛を一切使用していません。
✓ RoHS II ANNEX III適合(鉛≦3,500ppm)
厳しい欧州の環境規制にも対応。安心してグローバル展開が可能。
✓ 優れた加工性と耐久性
従来品「SK4F-G」と同等以上の性能を実現。加工現場での使いやすさもそのまま。
✓ 焼入れ硬さHRC ≧61 程度を実現
焼入れ・焼戻しにより、HRC 61 程度の高い硬さを確保可能(SK4Fと同等)
(焼入温度 :760~820℃ 油冷、焼戻温度 :150~200℃)
【推奨用途や応用分野】
・精密工具部品
・ピン材
・刃物部品
・金型部品
・ドリルロッドなど
【SK4F-EとSK4Fの違い】
項目 | SK4F | SK4F-E |
鉛含含有 | 含有(被削性向上のため) | 不使用(Pbフリー) |
加工性 | 高い | 同等以上 |
環境対応 | RoHSⅡ ANNEXⅢ適合(鉛≦3,500ppm) | 鉛レス 環境負荷低減 |
【SK4F-EとSK4Fの成分比較】
成分元素 | C | Si | Mn | P | S | Cu | Ni | Cr | Pb | その他 |
SK4F-E | 0.90~1.00 | ≦0.35 | ≦0.85 | ≦0.030 | 0.040~0.090 | ≦0.30 | ≦0.25 | ≦0.30 | 不使用 | 特殊元素添加 |
SK4F | 0.90~1.00 | ≦0.35 | ≦0.85 | ≦0.030 | 0.040~0.090 | ≦0.30 | ≦0.25 | ≦0.30 | 0.10~0.30 | - |
「SK4F-G-E」は、食品機械や欧州系企業をはじめ、環境配慮が求められるあらゆる業界に適しています。環境性能と加工性を両立した材料選定で、持続可能な製品開発をサポートします。
当社では、機械構造部品や高精度加工用途に最適なみがき棒鋼「SK4F-G」をはじめ、各種冷間引抜棒鋼を幅広く取り扱っております。
Φ3mm~Φ50mmの材料を中心に常時在庫を確保しており、最小ロット1本からの小口対応も可能です。短納期・少量ニーズにも柔軟に対応いたします。
今後も、環境規制対応と高機能性を両立した素材開発を積極的に進め、お客様の多様なご要望に応える最適な材料ソリューションを提供してまいります。