マルカマシナリータイランド(以下、マルカタイ)では、タイで特殊専用機や製造ラインシステムを手がけています。
このたび当社は、ASEAN地域において最大級規模のコマツ製E4T3500トン大型プレス機の据付プロジェクトにおいて、機械メーカー、および施工会社である関東エンジニアリング協力のもと、プロジェクト全体の総合管理およびエンジニアリング支援を担当しました。
今回は、本プロジェクトにおける全体の流れや、当社の担った役割についてご紹介します。
今回の大型プレス機の移設プロジェクトは、ASEAN地域において最大級規模の成形設備を対象としたものです。マルカタイは、単なる機械販売にとどまらず、エンジニアリングの知見を活かし、周辺機器を含めたプロジェクトマネジメントまで包括的に進行致しました。
【プロジェクト概要】
・対象設備:コマツ製 E4T3500トン プレス機(同社最大クラス)
・期間:2024年9月〜12月(約4ヵ月)
【移設の流れ】
1. 設置準備
2. 組立と設置
3. 機械設定と調整
4. 実働テストと品質確認
【マルカタイが担ったプロジェクト全体の主な担務】
・全体統括と進捗管理
各社の調整を行い、工程・スケジュール進捗の管理、定例会議(週次〜日次レベル)の主導を通じて、プロジェクト全体を円滑に進行
・現場作業の設計、最適化
組立順序の見直しや作業工程の設計を現場で調整し、安全かつ効率的な施工を実現
・技術・言語サポート
日本側メーカーとの間で技術通訳や文化的ギャップの橋渡しを担い、現地技術者との円滑な連携を支援
・エンジニアリングサポートと設備調整
各機器の組立から稼働調整まで、エンジニアがメーカーと現地スタッフの間に立ち、技術的なサポートを実施
本プロジェクトには、延べ100名以上の技術者・作業者が関与し、機械設備据付プロジェクトとしてタイ国内でも長期かつ大規模な案件となりました。
プレスメーカーのコマツ産機と、TMM会の一員であり、タイでプレス機の移設や修理など20年以上の実績を持つ関東エンジニアリングタイランドとの連携により、プレスを設置するベースプレートの固定から、搬入作業、組立を行いました。プレスが大方完成した後、材料を自動で送る周辺装置の据付を行っています。
周辺装置の輸送時には台風による3週間以上の遅延もありましたが、後付けで施工する周辺装置のエンジニアリング部隊を中心に現場対応やスケジュールの再編成、夜間作業の導入など柔軟に対応し、納期通りに完了することができました。
プロジェクト成功の大きな要因は、マルカタイの熟練日本人エンジニアの山下を中心とした高い専門性を持つ技術チームが、電気工事・制御システムの調整・現場運営までを一貫して対応した点にあります。
マルカタイは、商社機能にとどまらず、電気・機械・ソフトウェアの各分野に精通したエンジニアリング体制を備えており、単なる機械販売にとどまらず、プロジェクト全体を主導し、完遂する力を有しています。
専用機の設計から加工機の導入、生産ラインの自動化まで幅広く対応可能で、納入後の保守・メンテナンスも含めて一括してサポートしています。
さらに、供給装置の納期遅延や言語・工程上の齟齬といった突発的な課題にも迅速に対応し、長期にわたって安心してご利用いただける体制を整えています。
マルカタイは、今後も「技術力」と「現場力」を活かして、お客様の生産現場の最適化を強力にサポートしてまいります。