マザック(タイランド)は、タイ国内向けにCNC旋盤やマシニングセンタ、複合加工機などの販売およびアフターサポートを行っている。
ヤマザキマザック株式会社を中心としたMAZAKグループは、業界を牽引する世界的な工作機械メーカーとして、6ヵ国(日本・アメリカ・イギリス・シンガポール・中国・インド)11拠点に生産工場を有し、世界中のモノづくり現場に向けて、使いやすく機能性の高い工作機械を提供し続けている。
本稿では、タイを代表する自動車部品メーカー「S.B.-CERA CO., LTD.」(以下、S.B.-CERA社)におけるマザックの工作機械の活用・導入事例をご紹介する。
S.B.-CERA社は、代表取締役を務めるバムルン・リキットルーグウィット氏により2003年にタイで設立された。ピックアップトラックやセダンなどの自動車用サスペンション部品の生産を行っている。
現在では、セラブランドのボールジョイントを生産し、タイの他カンボジア・ラオス・ベトナム・インド・サウジアラビア等の幅広いエリアに輸出している。
同社の強みは、金型製作から熱間鍛造、旋削加工、各種品質試験を含めた全ての工程管理を自社でワンストップで行っている点だ。
以前は、他社メーカーの工作機械を導入していたが、本生産開始前の機械セットアップに時間を要し、結果的に多くの作業時間のロスが生じてしまったという。安全性が重視される同社の自動車部品は、高精度であることに加えて、製品ラインアップが2,000種以上もあることから大きな課題を抱えていた。
それらを解決できたのがマザックの工作機械とアフターサポートサービスだった。現在S.B.-CERA社では50台以上ものマザック機が導入されている。
<S.B.-CERA CO., LTD.に導入されているマザック機一覧>
■ CNC旋盤(8インチ・10インチ):41台
(QUICK TURN NEXUS SERIES/QUCIK TURN SMART SERIES/QTE SERIES)
■ 3軸マシニングセンタ:10台(VCN SERIES)
■ 5軸マシニングセンタ:1台(VARIAXIS J-500)
マザックの工作機械の特長の1つとして、独自開発のCNC装置『MAZATROL(マザトロール)』が挙げられる。AIを搭載した対話式プログラムで、切断速度・回転速度・送り速度などを自動計算し、加工におけるエラーを簡単に削減することができる。
<MAZATROLの特長>
✔ 材料の種類、サイズ、加工寸法などの情報を入力するだけで簡単にプログラム作成が行える対話式プログラム。
✔ プログラムシミュレーションにより、実際の加工前に異常箇所を検知し、最適な加工プロセスに修正が可能。加工時のエラーを削減する。
✔ プログラム作成が容易なため、多品種少量・サンプルパーツ試作に向いている。
「マザックの機械導入以前は、様々なメーカーの機械を使用しており、機械のセットアップに専門の知識が必要なことから手間と時間を要し、生産目標未達になることもありました。CNCプログラミングの知識を持つ優秀なスタッフの採用も難しく、大きな課題でした。 マザトロールを活用するようになってから、機械セットアップが容易になり、生産管理が非常に楽になりました。1日当たりの生産量が増加し、生産目標も安定的に達成できています」(S.B.-CERA社 工場長SUCHART氏)
マザックの工作機械導入前、ウィッシュボーン等の一部の製品については、海外から部品を調達し、自社工場内で成形を行っていたため、工数とコストがかさんでいた。マザック機の導入により、自社で生産工程を完結させることができ、工数と大幅な生産のコスト削減につながっているという。
「生産に関して、品質と工程の管理が非常に重要であることは言うまでもありません。マザックの機械導入後は、それらを簡単に管理することができるようになりました。マザックの機械は、充実した機能と性能でありながらも価格がお手頃で、ラインアップも豊富です。
継続的なアフターサービスにも満足しています。機械毎にシリアル番号がついており、トラブル発生時には専用コールセンターが迅速に問題を分析し、彼らから適切なアドバイスを受けることができます。また、タイ国内に部品センターがあるので、安定的に部品交換を行える点も信頼を置ける理由の1つです。
今年は、工場の自動化を進めるため、ガントリーローダ付きQT-PRIMOS 150 SGを新規発注しました。この機械には素材を自動搬送できるハンド(ガントリーローダ)が取り付いていますので、今まで以上に生産性を上げられると期待しています」(S.B.-CERA 社 副工場長SAYAN 氏)
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