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安全性を極めたぶつからない協働ロボット NACHI「MZS」シリーズ
17/12/2025
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柳坂 真一朗 General Manager, Robot Division

“ぶつかる前に止まる”―従来の協働ロボットには無い新しい安全コンセプトを掲げたのが、NACHIのMZSシリーズです。従来の「ぶつかってから止まる」協働ロボットでは避けきれなかった接触事故のリスクに対し、複数のセンサによる制御で、衝突を未然に防ぎます。


協働ロボット 安全 NACHI 不二越 タイ


東南アジアではロボットと人が近い距離で作業する現場が多く、安全性は長年の課題でした。展示会では、「本当にぶつからないのか?」「安全と高速が両立できるのは革新的」と大きな反響をいただき、現場の関心の高さを改めて実感しました。

本記事では、MZSシリーズが実現する“安全×生産性”の新基準についてご紹介します。



協働ロボットの進化形!「ぶつかる前に止まる」新安全コンセプト

東南アジアでは、産業ロボットに安全柵の設置を義務づける法整備が十分ではなく、作業者とロボットが安全柵なしで働くケースが多くあります。その結果、ロボットハンドと人の接触事故が後を絶ちません。
MZSシリーズは、こうした現場の課題に対して次の仕組みで安全性を高めています。


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•レーザスキャナが半径最大5,000mmを常時監視
•人や物体が近づくと自動的に協働モードへ切替、ロボットスピードを減速
•アーム内蔵センサが400~500mm以内の人の接近を検知し停止
•人がロボットから離れれば自動で動作に復帰し、ロボット停止後の再起動が不要

「ぶつかったら止まる」従来型の協働ロボットではなく、“ぶつかる前に止まる” ロボットです。


安全だけではなく生産性を落とさない高速・高精度性能

MZSシリーズの特長は安全だけではありません。
MZシリーズで培った高速・高精度技術をそのまま継承しています。
• 非協働時:最大2,500mm/sの高速動作
• 協働時:最大1,000mm/s
• 位置繰り返し精度:±0.02mm

また、人がエリア外に出れば自動的に高速運転に復帰するため、従来の協働ロボットのような手動リスタートが不要です。
これにより、「安全にした分、生産性が落ちる」というトレードオフを解消しました。


<MZSシリーズと従来の協働ロボットの違い>

ロボットタイプ 人がエリア外にいる場合 人がエリア内に入った場合 停止 再起動 生産性
MZSシリーズ 高速動作 低速動作 ぶつかる前に止まる 人がエリアから出れば稼働再開 ◎
協働ロボット 高速動作 低速動作 ぶつかった後に止まる 人手による再起動が必要 △


多様な業種・環境に対応!現場に寄り添う設計

MZSシリーズは、現場の“本音”に徹底的に向き合いながら開発を進めてきました。
• 5kg可搬・927mmリーチの使いやすいサイズ
• 洗浄可能な IP67構造
• 中空手首構造でケーブル干渉リスクを低減
• 電機・電子から食品まで幅広い業種に対応可能
• AMRへの搭載など物流分野への応用にも強み

特に東南アジアの現場で需要の高い、5kg可搬から発売を予定しており、タイ法人には実機デモ機もご用意しています。


MZSシリーズで目指す未来――“安全×生産性”が当たり前の世界へ

協働ロボット市場は、人手不足とコスト増により今後さらに拡大していきます。しかし、その普及を後押しする最大の鍵は「作業者が安心できるロボットかどうか」だと考えています。

MZSシリーズは、
  “安全柵がない環境で高速運転ができる”
  “衝突の不安を限りなくゼロに近づける”
  “人が離れれば自動復帰し、生産性を落とさない”

という、これまでにない価値を提供します。

MZSシリーズは、2025年12月より全世界同時に販売を開始しました。
今後は、5kgに加え、12kg・18kg・20kg・30kg可搬モデルも順次展開予定です。


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▲2025国際ロボット展の会場でも注目を集めたMZSシリーズ


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