
2025年4月下旬に欧州で発生した大規模停電は、数千万世帯に影響を及ぼし、少なくとも16億ユーロ(約2,500億円)の経済的損失をもたらした。再生可能エネルギーの導入が進む欧州では、中国製の太陽光パネルや関連機器が広く採用されており、それらのセキュリティー上の脆弱性が停電の一因となった可能性が指摘されている。 スペインなどで発生した大規模停電は、太陽光発電システムのインバータへの外部アクセスが一因とみられている。これを受け、リトアニアでは再エネ発電設備への外部アクセスを制限する法整備を進めるなど、欧州ではサイバーセキュリティー対策の強化が加速している。
▲パナソニックの最先端技術を備えたモデルハウスとプロジェクトメンバー
一方、タイでも太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入が加速しているものの、欧州で起きた大規模停電は依然として「対岸の火事」と受け止められがちだ。
こうした中、パナソニック・ソリューションズ(タイランド)は再エネ設備のサイバーセキュリティーリスクに着目し、実証実験を開始した。本記事では、その取り組みを紹介する。
タイで進む再エネ導入とセキュリティー対策の課題
一方のタイでは37年までに、全発電量の50%を太陽光などの再エネにするという目標を掲げており、電力開発計画(PDP)や代替エネルギー開発計画(AEDP)を相次いで策定。念頭にあるのは、太陽光や風力、バイオマスといった再エネ発電の拡充だ。政府が掲げるセキュリティー対策も、施設の火災対応といった限定的なものに限られている。
タイ投資委員会(BOI)も外資の誘致拡大に重点を置いており、進出企業に対して最大13年間の法人税免除のほか輸入関税免除、外国企業の土地所有許可、外国人労働許可の簡素化といった投資恩典を相次いで打ち出すばかり。目に見えにくいセキュリティー問題は、どうしても後手に回されがちというのが実態となっていた。





