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2022年4月で創立10周年を迎えるパパス(タイランド)(以下、パパスタイ)。主に自動車部品・バイク部品向けのプレス・溶接を得意としている総合金属加工会社である。2020年から機械加工も導入したことにより対応できる加工領域も広がり、コロナ禍においても引き合いは右肩上がりで増えているという。
同社MD河原氏にこれまでの10年、そしてこの先について話を伺った。
親会社である株式会社パパスは1970年に設立し、日本で50年以上にわたり金属加工技術を発展させてきた。世界規模での事業発展を図るため、金属加工の技術レベルが高く、自動車産業も盛んなタイが拠点に選ばれた。
河原MD:やはり1番苦労したのは立ち上げの時ですね。2012年5月に工場を設立しましたが、当初は機械がありませんでした。日本から機械が納入されたのは7月。仕事はもちろんのこと、当時は現地で頼れる宛もなかったので全てゼロからの構築でした。
現在取引している顧客は、ほとんどが日本では取引のない企業だ。しかし取引を始めると案件が継続すること多い。同社の加工技術と実力がタイでも認められている証拠だといえよう。
パパスタイの技術力の重要な要素である「機械設備」。立ち上げ時、仕事がない状態において設備投資が必要だったため、どのような機械をどれだけ導入するかは手探りだったという。
設備が増えれば自ずと機械稼働率を上げるために仕事を増やしていく必要があるが、この10年間で毎年数台ずつ設備を増加し、高い稼働率を維持している。
▶工場設備一覧
現在も継続的に設備拡充は行なっており、2020年からは対応できる加工領域を広げるために設備投資に一層注力している。
事業発展のために尽力し続けたことは「人材育成」だと話す河原氏。
河原MD:製造はチームプレイができないと成り立たない。どんな加工セクションでもチームとしてうまく動いていけるような仕組み・基盤づくりが重要と考えました。当社の製造はローテーション制で行なっており、基本的に専属担当という考え方はありません。誰が抜けても支障が出ず、どんなメンバーでも製造が円滑にまわる仕組みです。そういった仕組みができていれば、例えば急に溶接加工が通常の2倍必要になった場合でも迅速に対応できるのです。
この仕組みが功を奏してか、同社は離職率が低く、現在従業員は60名近くにまで増えた。主要タイ人スタッフは在籍平均7年以上であり、スタッフ同士の信頼関係の構築もできている。
さらに、2020年からは学生インターンの受け入れを開始した。
河原MD:タイ人の仕事に対する考え方として、自分以外の担務に無関心な場合が多く、あまり人に教える文化が根付いていないように感じます。そのため、新しい人材育成はもちろんのこと、既存スタッフたちの教育能力向上にも期待しています。
更なる10年後を見据えた際にも、やはり人材育成・設備拡充は同社発展の軸であるという。
河原MD:2017年8月にISO9001を取得、2021年9月にIATF16949:2016を取得しましたが、やっと組織としての基盤大枠ができてきたかな、という段階だと思います。基本的なことでも当たり前に継続することは意外に難しいものです。加工スキルの継続的向上、5Sの徹底、カイゼン活動…こういった基礎を常に意識し続けることが大切です。
思えばこれまで過去を振り返ったことなんてなかったですね。終わったことよりも、大切なのはこれからどうするかだと思うので。だからこれからも前を向いて突き進むのみですよ。
パパス(タイランド)の継続発展のため、河原氏の飽くなき基盤づくりは続いていく。
Tel: +66(0)3-821-2260~1
河原 Kawahara
Mobile: +66(0)88-530-9933
Email: k.kawahara@papas-kk.co.jp