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「タイ製造業を牽引 2018年を占う日泰企業の動向」METALEX 2017 ASEAN最大級の祭典

05/12/2017
サムライファクトリー編集部
 今年で31回目となった、ASEAN最大級の製造業の祭典「THE GRAND METALEX(メタレックス)2017」。会場には、例年にもまして多くの日系企業が出展。世界50の国と地域から3300以上のブランドが並んだ。昨年は、前国王の崩御に伴う服喪期間の開催で派手な装飾を控えていたが、今年は「製造業界の祭典」の名に相応しい力の入れよう。期間中は、9万1034人が集まった。
 中でも、年初にタイ政府が掲げた国家ビジョン「タイランド4.0」に連動した、製造業における次世代の取り組み“インダストリー4.0”へとつながる“製造現場の自動化”に関するロボットやIoTといったハイテクノロジーの展示は、素人目にも近未来を想像させるほどだった。メタレックスを主催するリード・トレーデックスのイッサラ社長も、「今年はモノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)技術を活用した製品やサービスが多い。それだけタイの製造現場が成熟し、高付加価値化へ向けた取り組みがされているということ」と話す。




9年連続の出展。JETROブースに45社

 9年連続となった日本貿易振興機構(JETRO)の「ジェトロ・パビリオン」には、工具や治具といった技術力の高い日系中小企業45社が出展。そのうちの24社が初参加となった。中には、自然の材料で電力を発生させるバイオマス技術や、人口知能(AI)技術により、蓄積した検査結果を活用して、検査スピードを高めていく検査機など、日本企業が得意とする“無駄をなくし、細部までこだわる”技術を披露。訪れたタイの専門商社社員は「日本の企業は規模が小さくとも技術力が高い。また、初めての取り引きでもすぐに信頼できる安心感がある。ぜひとも代理店や将来のパートナー(合弁企業)候補を探したい」と話した。

 一方、巷では日系製造業のタイ進出に対する一服感が漂う中、東京都中小企業振興公社(Tokyo SME)のブースには、東京から出展した元気な中小製造業の姿が印象的だった。前述のタイランド4.0や東部経済回廊構想といった高付加価値産業の発展の将来(さき)に、それを支える日系製造業の姿が見えた。


タイ景気。新たな局面へ

 それもそのはず、タイの工作機械受注は、2011年の大洪水の翌年(12年)から前年比減が続いたが、17年の10月までに同5・8%増で推移し、明るい兆しを差し込めている。これは、タイ政府の購入奨励策(ファーストカー減税)で過去最高の販売を記録した2012年から5年が経過。購入条件だった買い替え禁止の期間が終わる人が増えてくるためだ。市場の回復を見越した日系自動車メーカー各社は、主力車種の改良や新車種の追加を発表。5年ぶりの自動車販売増の追い風となっている。また、景気回復の兆しは、長期的にも見ることができる。前述のタイランド4.0に基づくEEC構想で進むインフラ整備計画は、タイ内需を大きく押し上げる。
 同構想は、タイ東部沿岸地域のチョンブリー、ラヨーン、チャチューンサオの3県にまたがり、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)といった次世代自動車をはじめ、医療、航空、ロボットなどハイテク産業の特定業種の投資促進と陸海空インフラなどを一体的に開発される。タイ政府が発表した、36年までの中長期的な経済成長戦略であるタイランド4.0(※1)の中核として位置づけられ、いわば将来のタイ経済を押し上げる切り札だ。今後5年間に約1.5兆Bをかけてウタパオ空港(タイ東部にある元軍用空港を民間転用した)の拡張工事と、同空港からスワンナプーム、ドンムアン両国際空港とを結ぶ高速鉄道計画の承認を得て開発がスタート。鉄道関連及び建設業界にとってもチャンスだろう。また、同域内のレムチャバン・サタヒップ・マプタプットの3港湾の拡張、高速鉄道とは別に貨物用の鉄道複線化計画、高速道路整備など巨大公共事業が目白押しだ。さらに、同地域はIOT技術を使った環境配慮型エネルギー・社会インフラの次世代型管理を行う都市“スマートシティ”構想など、途方も無い計画が用意されている。





求む! 外資の“チカラ”

 当然、莫大な資金(財源)が必要だが、そこは域内の下地ともなる各工業団地に協力を仰ぐとともに、PPP(官民パートナーシップ)を使い民間力で乗り切るのだという。産業創出の面では、タイの王道“外資のチカラ”を借りる。すでに、タイ航空とフランス・エアバスが了解覚書を結び、整備・補修・オーバーホールができるよう、EEC内での航空産業の活性化を目指す。ほかにも、EEC内では、高度な知識や経験を持つ人材の個人所得税を一律17%とする特典を付与。EECが欲する産業を生み出す企業には「BOI(タイ投資委員会)とは別の優遇措置も施す」という。

 BOIによれば、EEC構想への投資恩典の中でも、EVの組み立てや製造、重要部品の輸入に対しては、最長10年間の法人税を免除(原則8年+2年)。PHVは同最長6年間を免除するほか、輸入機械の関税を3年間免除する。さらに、重要部品に対しては、法人税の8年間の免除に加え、製造拠点をEEC内とした場合はさらに5年間、法人税を50%減税とする恩典が受けられるという。


勢いづくタイ景気

 こうした動きに呼応してか、7―9月のGDPは4・3%増で4年半ぶりの高い伸びとなり、年度成長も4%近くまで高まると予想。さらに18年の成長率は3・6―4・6%が予想され、タイ景気の回復予兆が読み取れる。
 さらに、タイ政府によると、輸出額の2017年第3四半期は、前年比12.5%増の616億米ドルだと判明。今年9月(単月)は同218億1,200万米ドルで、昨年同期比12.2%増。過去最長7カ月連続の増加だと話題を呼んでいる。今年1〜9月では、すでに同9.3%増だと報告された。その内訳を見ると、1位は自動車及び関連部品(11.2%)、2位はコンピューター及び関連部品(7.6%)、3位はゴム製品(4.3%)、4位は熱可塑性物質(3.6%)、5位は重責回路(3.5%)となった。中でも、ゴム製品の伸びが顕著だという。同局は、「来年はさらに伸びるだろう」と予想した。この結果を受け、商務省は、今年の輸出予想成長率を7%から8%以上に引き上げた。仮に今後3カ月間(10〜12月)の月平均が190億6,100万米ドル以上となれば、今年の輸出総額は過去最高となるという。
 今年の「METALEX(メタレックス)2017」でも、多くの出展企業から「例年以上ににぎわった」と笑顔を見せた。 2018年。高付加価値産業の誘致に舵を切ったタイ。製業業の価値は高まるばかりだ。



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