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タイの“ものづくり”を支える 住友商事マシネックス アジア 3社で手掛ける、製造現場の省エネ・省力化

01/10/2021
サムライアジア編集部

▲熊谷 Director(左)、後藤 社長(中央)、山田MD(右)

住友商事グループのタイ法人・住友商事マシネックス アジア(以下、SCMA)が主催する3社対談②は、愛知県名古屋市に本社を構えるIEC株式会社(以下IEC)のタイ法人・Thai IEC Co., Ltd.(以下Thai IEC)の熊谷Directorと、3社対談①にもご登場いただいたインダストリア・後藤社長、そしてSCMAの山田MDと曽利 尭史(そり あきふみ)氏をゲストに迎え、4人に話を伺った。


GUEST1
「流体ハンドリングのパイオニア」IECは、塗料や高粘度材料等、流体の移送供給システム構築を主として取り扱う技術商社。中でも、自動車工場内の塗装ラインへ塗料を供給する塗料循環供給システムの分野において、日本国内トップのシェアを誇る。IECのタイ法人Thai IECの熊谷 靖之(くまがい やすゆき)Director。


GUEST2
エレメントの交換が不要という、画期的な産業用フィルター『FILSTAR(フィルスター)』を販売するインダストリア タイランド(以下、インダストリア)の後藤 謙介(ごとう けんすけ)社長。


GUEST3
2021年4月付でタイに赴任されたSCMAの山田 達也(やまだ たつや)MD。SCMAのパートナー企業と協力し、環境負荷低減、省エネ・省力化提案に注力している。

GUEST4
SCMAの曽利 尭史(そり あきふみ)アシスタント マネージャー。インダストリアのフィルスターを中心に、様々な水事業の提案を行なっている。


Thai IEC × インダストリア × SCMAが提案!
塗装工程におけるスラッジ回収の省エネ・省力化


▲インダストリア製フィルスターを前に、3社の代表者(Thai IECにて撮影)

山田(敬称略):2021年8月に移転され、新築ホヤホヤのThai IEC様の素晴らしい新社屋に、インダストリア・後藤様と一緒にお伺いしております。SCMAは、環境・省エネ・省力につきまして、エンジニアリング会社であるThai IEC様、ろ過装置メーカーのインダストリア様と共に、どんなアプローチができるか、お話をさせていただければと思います。

熊谷:Thai IECは、流体の移送技術をコア技術と位置付け、製造工程における塗装・接着・充填をハンドリングして、タイでも自動車メーカーを始め、あらゆる産業に展開しています。

タイは、かつては労働集約型の製造が主流でしたが、人件費の高騰、工程改善の観点等から、自動化が急速に進んでいます。自動化する事で、省人化だけでなく品質の安定、材料使用量の見える化が可能になります。
不良が減る→無駄な材料が減る(コスト削減、省エネ)→工程内の作業者を削減できる。もしくは他工程への転換する(会社全体の省人化)事で、会社全体の効率が上がると言った相乗効果が期待できます。
当社は、お客様のこれらの改善に最適な提案でお役に立てるよう、活動しています。新社屋にはラボがあり、塗装を始め環境対応やコスト低減に寄与するデモ機を揃えております。

後藤:当社の製品である ろ過装置フィルスターは、ランニングコストやメンテナンス等、すべてゼロという特長があります。IoT化への提案として、見える化・無人化・自動化を実現する『D switch』をタイで発売開始しました。D switchは、エレメント交換不要でスラッジ除去を完全自動化できる、画期的な装置となります。

曽利:D switchは、排水処理システムの任意の場所に設置することが可能です。これは予め検知するスラッジ量を決められる事を意味します。ドレンカップ上下に自動バルブ取り付け、自動ドレン排出キットを組み合わせることで、完全自動化が実現できます。

▲インダストリアの『D switch』取付例

曽利:現在、塗装スラッジの回収にフィルスターを使用すべく、インダストリア様と協働を重ねています。そこから塗装前 脱脂工程 等の他工程へ、横展開を進めて行きます。
ニューノーマルなものづくりへと変革が進むタイの製造業に向け、Thai IEC様、インダストリア様、SCMAの3社それぞれの強みを活かして、お客様と協力しながらタイでの省エネ・省人化を実現していきたいと思っています。




洗浄効果に影響なく、溶剤・エアーの正確な混合を実現『SOLVAIR(ソルブエアー)』


ソルブエアーは、レシオバルブ※技術(特許取得)により、洗浄効果に影響を与えない、正確に混合された混合気を作成する装置。
※ 米国Katesの特許技術『レシオバルブ』は、溶剤とエアー両ラインの負荷変化から生じる圧力変化を補正、正確な比率で混合気を作成する。


SOLVAIR動作原理

❶ 溶剤(高圧)、エアー(低圧)でSOLVAIRへ入る
❷ 高圧の溶剤側からエアー側へスプールが移動
❸ スプールにより溶剤側は塞がれる
❹ 溶剤側の圧力が低下、エアーに押されスプールが移動
❺ スプールの押し戻しを繰り返す
❻ 溶剤とエアーが正確に混合される


BINKS(ビンクス)縦型電動スマートポンプ『EV2-30』


容易な操作と多様な制御の組合せにより、大幅なランニングコストの低減と塗料品質への影響を減少させる電動スマートポンプ。ビンクス・SMART シリーズのポンプは、耐圧防爆電動モータを用い、フルイドセクション部(液体ポンプ部)を動かして塗料・溶剤・その他の液体を供給する。

EV2-30の特長

・2ピストン構造のシンプルなポンプ内部
・配管入口のサニタリー接続により、塗料溜まりなし
・ベローズが外気と接触していないため、紫外線硬化型(UV)や硬化剤(イソシアネート)に最適
・AC 周波数インバーターを使用すれば、ポンプ性能が調整可能
・独自設計の CVカムで、流体圧力の変動を最小限に抑える
・フローモードと、省エネルギーを達成するスマートモードの2種類がある
・垂直ショートストローク設計により、従来のレシプロポンプに比べ脈動を最小限に抑える
・耐久性の高い素材を使用した液体ポンプ部は、摩耗性や腐食性が高い材料でも供給可能



沈殿物検出スイッチ『D switch』

▲インダストリアの新製品『D switch』

サイクロンフィルターIoT化へのファーストステップとして、スラッジ回収完全自動化を実現可能にする。洗浄工程で発生する沈殿物の種類(液体・個体)を選ばず、様々なアプリケーションに後付けが可能だ。

見える化
D switchを取り付けることにより、沈殿物が規定の量に溜まったら機械へ信号を送る。アラームにより、沈殿物の目視確認が不要に。ポカヨケ防止にも有効だ。

無人化
ドレンカップ上下に自動のバルブ+自動排出装置を設置する事により、ろ過→排出→脱液のサイクルを完全自動化する。

対象物
液体→水性・油性切削油 等/固体→鉄・アルミ・ステンレス鋼 等(沈澱する物質)

エレメントレス フィルター FILSTAR(フィルスター)

▲フィルスターを抱えるSCMAの曽利氏

産業廃棄物ゼロ・メンテナンス ゼロ・ランニングコスト ゼロ・人件費ゼロと、ゼロ尽くしの遠心分離を応用したエレメントレス産業用フィルター。


Thai IEC Co., Ltd.
熊谷 靖之 Yasuyuki Kumagai
Director

2003~2018年 塗装機器メーカーで勤務 海外市場の営業担当として従事
2019年 株式会社IECに入社
2020年 IEC Engineering (Thailand) Co., Ltd.に 出向

industria (Thailand) Co., Ltd.
後藤 謙介 Kensuke Goto
President

2013年 株式会社industria入社
2014年 industria (Thailand) Co., Ltd. 設立、同社 Presidentに就任

SC Machinex Asia Ltd.
山田 達也 Tatsuya Yamada
Managing Director

1988年 住商機電販売(現在の住友商事マシネックス本社)電機部入社
     受変電設備の営業に従事
2000年 産業機械(主に工作機械)の営業に従事
2021年 住友商事マシネックス アジア マネージングダイレクターに就任

SC Machinex Asia Ltd.
曽利 尭史 Akifumi Sori
Assistant Manager

2019年 SC Machinex Asia入社

▲Thai IECが扱うGraco製『E-Flo DC 4ボールピストンポンプ』
 左からSCMA光成氏(2021年9月に帰任)、山田MD、曽利氏

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