
国井 勝己氏 プロフィール
埼玉県の地元公立高校を卒業後、株式会社ヒキフネに営業職採用で入社。1年間の現場経験を積み、営業部に移動、拡販、ライン増設に伴いFP(ファインプレーティング)部に配属、その際に造水から排水、製造ライン設計の経験を活かし、2012年ヒキフネ初の海外生産拠点となるサイアムヒキフネに着任。
タイでのISO取得について
タイ進出と同時に日本のマニュアルを2015年度版に適応した内容で定義し運用を開始。しかし、専門用語の説明、毒劇物の取り扱いも含め、設備、電気、化学、材質、加工方法と様々な分野での知識が必要となります。しかも全てがマニュアル通りに運用できない状況で苦労の連続でした。
しかし、この度、漸く ISOを取得した事を報告させて頂きます。
審査機関;PERRY JOHNSON REGISTRARS,INC. 登録番号;C2018-00214
『進出、ISO取得の苦労話』
まずは、作業者の安全面、軽作業からの教育を重視し、保護具の着用、薬品の取扱いからスタートするといった、スタッフのスキルを勘案しながらの運用となりました。正直、法律で定められいる筈なのに、ヘルメット未着用でバイクを運転する光景をしばしば目にしていたので、「果たしてめっき作業時に保護具を着用してくれるのか?」などの疑念を抱きながら各方面での教育が始まりでした。
オペレーターが定着し、「薬品の先入れ先出し」を記録する作業では、「薬品取りだし」「補給」の時に各担当の作業を赴任者、通訳者が立合えないため、安易な指示でミスが起る事もありました。棚卸が合わず、人の手による作業の難しさを改めて感じました。
また、めっき薬品は液体でありながら「kg」で購入するものも存在します。液体の日常補給は「ml」や「ℓ」の容量で行いますが、購入した薬品のラベルなどの帳票類はkg表記であり、毎日1 ℓを使用しても25回分となりません。そう! 薬品は、安全面だけでなく比重についてなどの補足教育が必要となるのです。
数字の場合、どの言語を使用したとしてもジャスチャーとの併用で、発音が悪くとも通じてしまいます。しかし、実際には単位までが指示できおらず、指示する側、記録する側の全員が理解していなければ、誤りが発生し棚卸が合わないのは当然。挙句には、記録上合わない事への責任逃れのため、最後に補給する者は補給量で記録を合わせてしまうといった状況だったのです。
そこで、「この薬品は〇〇kgの記載であるが〇〇Lである」との認識と比重の基礎からの教育となっていきました。
ISOは取得しましたがこれからが本番です。当社サイアムヒキフネも本社のような技術集団になるため、作業者1人1人が予防、是正、効率、環境を考えるスキル、それを活かす会社としての方針、環境を整えて参りたいと思います。
サイアムヒキフネでも装飾めっき、機能めっき、特殊めっき(ガラスへのめっき)などタイの経済成長と共に当社も成長するようにして行けるよう精進してまいります。
※ブレインストーミングを用いて問題解決手法を教育する風景
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