
SIAM HIKIFUNE(株式会社ヒキフネ タイ工場)の第2ライン立ち上げにともない、私がタイに赴任したのが2016年。4年の任期中、現場で様々なことを感じ、学びました。
当社「株式会社ヒキフネ」は、東京都葛飾区でめっき加工・技術開発を行ない、創業88年になりました。
現在の東京の工場は4階建てで、フロアごとに加工工程が分かれています。この構造だと人・物の移動や情報伝達に気を配る必要があるのですが、社員は熟練職人ぞろい。
統制が取れており、行程間の糊代が優れているので、お客様の要求以上の品質のものが安定して供給されています。
タイ工場は、製造装置と槽がすべて1フロアに並び、受け入れから製造・管理・出荷まで一気通貫で製品の動きと工程が見渡せる環境です。
しかし、操業開始時は指示する人と作業する人の間で意思の疎通がうまくいかず、製品の不具合に繋がってしまうことが多々ありました。
私としても東京での仕事とのギャップに慣れず、糊代が小さく薄いことを嘆きながら、通訳を通すことを面倒がってしまい…
目的や理由をきちんと理解させないまま作業の指示をする場面が多かったことを反省しています。
時間の経過とともに勤務態度が良く素直な人が自然と残ってくれたこともあり、今ではスタッフの監視に気をもむ必要はなくなりました。
【主な取扱い加工】
■ アルミに対する無電解めっき(Ni-P)
電気Niめっき、3価Crめっき
■金属に対するCu-Ni-Crめっき(銅ニッケル・クロムメッキ)
Cuめっき、Niめっき、艶消しNiめっき、Crめっき
スタッフが作業に精通し不具合をみつける目が養われると、次第に工場全体に「この不具合が起こる原因を知りたい!」など、意欲的な雰囲気が満ちてきました。
何とかその意欲に応えようと、こちらも必死で勉強しながら説明し、お互いにいっそう知識が深まりました。
タイ人が発案者となり、思いがけない不良改善や効率アップのためのアイデアを出してくれたときは、積極的に採用し実行させました。その成果が出たときは、お互いに本当に嬉しかった。
ものづくりに携わる者にとっての「達成感」は、世界共通なのだと実感。彼らの今後のさらなる成長が楽しみです。
今でも時々、勢いがあまってタイ人スタッフらに傲慢な態度を取ってしまう時があります。
そんな時、自分は彼らに不誠実な対応をしているのだなと恥ずかしくなり、猛省します。
タイの人たちは、私たちが思っている以上に厳しい目で私たちを見ているかもしれません。
“コボリさん”
タイでは誰もが知っている日本人の名前です。
『メナムの残照』という小説に出てくる日本の軍人で、中村明人という実在の人物がモデルです。とても立派な人だったようで、主人公の小堀青年とタイ人女性との交流を描いたこの物語は、タイでは『クーカム』というタイトルで何度も映画やドラマになっており、大変な人気があります。
一人の女性と誠実に向き合う青年の姿がタイの人にとっての日本人のイメージだとすると、私の在り方は恥ずかしいばかりです。
このような日本人古来の侍気質と誠実さが私たちの中に残っていれば、タイの人々ともっと上手くやってゆけるのかもしれません。
それでも、人として基本となる姿勢、仕事にたいする情熱、やりがい、「ものづくり精神」は、どこの国でも同じだと実感した4年間でした。
SIAM HIKIFUNE(タイ工場)は株式会社ヒキフネのDNAを受け継ぎ、タイでさらなる高品質のめっき処理をご提供できるよう今後も努めてまいります。
アルミへの無電解めっき・真鍮へのニッケルめっき ほか
タイでの高品質なめっき加工については、サイアムヒキフネへお問い合わせください。
Office
Tel: +66(0)38-212-380
国井 Kunii
Mobile: +66(0)86-402-3859
Email: kunii@hikifune.com
Sasithorn Archeepsmut(Oil)
Mobile: +66(0)96-754-1441
Email: Sasithorn@hikifune.com