高松機械工業(タイランド)(以下、高松機械タイ)は、2025年7月17日~18日の2日間、自社展示会「TAKAMAZ PRIVATE SHOW 2025」を開催した。
今年のテーマは「Precision with Power Efficiency(精度と省エネ・高効率)」で、7台の旋盤モデルを通じて、同社が提案する“インテリジェント工作機械イノベーション”を披露した。
景気の影響により来場者数は昨年を若干下回ったものの、来場企業数には変化がなく、各企業の関心は依然として高いままであった。
製品展示では、今後ニーズの高まりが期待されるコンパクトローダによる自動化や、幅広いサイズの旋盤が並び、来場者に対して実機の特徴を訴求する内容となった。
展示機械ラインナップ:
•XWT-8(タイ初披露の2スピンドル2タレット旋盤)
•XWG-3(コンパクト機)
•XT-6
•XTs-6 (FC60ローダ搭載)
•GSL-15PLUS
•GSL-10H
•SJ460 × 1,000G(汎用旋盤)
特にGSLシリーズは、タイ国内での導入実績が豊富な旋盤だ。現在は、今年中に発表が予定されている後継機のリリースを控え、積極的に在庫販売が行われているモデルである。
今回のイベントでは、例年通り協賛メーカー各社の出展も好評だった。
高松機械タイMDの山下氏は「ありがたいことに、協賛・出展に意欲を見せてくださるメーカー様が多くあった」と語る。
機械単体ではなく、ツーリングや周辺機器を含めた“トータルソリューション”としての価値を伝える構成となっており、実演を通じて具体的な運用イメージを提示し、「こんなこともできるんだ」と参加者へ製造現場における運用ヒントを紹介する場ともなった。
【協賛メーカー】
• 白山(タイランド)/チップコンベヤ
•LNS (Thailand) Co., Ltd/チップ搬送、バーフィーダー、ミストコレクター
•Neos Chemical (Thailand) Co., Ltd./クーラント装置
•帝国チャック/デザインチャック
•NT TOOL THAI CO., LTD./旋盤用ツーリング・ホルダー
•KITAGAWA TRADING (THAILAND) CO.,LTD./チャック・ロボットハンド
•Tungaloy-NTK Cutting Tool (Thailand) Co., Ltd./各種切削工具
•TOSEI (THAILAND) CO.,LTD./測定機器
・Blum-Novotest /工作機械用タッチプローブ
タイ製造業の景気という意味では依然として厳しい状況ではあるなか、本展示会をきっかけとした日系企業からの有力な引き合い等もあり、有意義な内容だった山下MDは総括する。
「四輪車・二輪車のティア1、ティア2企業では、数年後に控える自動車新モデル発表に向けた準備もすでに始まるなど、具体的な設備導入計画が始まっている動きが見受けれました。ただ一方で、タイローカル企業からの反応はやや限定的であり、タイ景気のリアルな状況も感じ取れた展示会でした」
さらに、GSLシリーズの後継となる新機種も控えており、2025年のMETALEXで正式発表が予定されている。現行モデルであるGSL-10HとGSL-15PLUSの中間サイズで、1モデルへの統一を図った設計となる予定。コントローラーには三菱電機製を採用し、扱いやすさと性能の両立を図る。
現在、高松機械タイでは常時50台以上の機械を在庫しており、タイ国内にとどまらず、経済状況の好調なベトナムやインドネシアにも柔軟に供給している。今回のプライベートショーは、高松機械工業タイ法人のこうした東南アジア全体も視野に入れた機械・ソリューション紹介の場となった。