建築・構造物における軽量で加工性が高い「アルミ」の需要拡大は今後も続いていくと考えられる昨今、エネルギー消費量削減への取り組みが活発化しています。そういった世界的な需要に対応すべく、LIXILグループでは、低炭素型アルミ形材「プレミアルR70」を開発し、弊社トステムタイでも展開を開始しました。
本稿では、CO₂(SCOPE3)削減に大きく寄与する「プレミアルR70」の特長や、LIXILグループにおける環境保護の取り組みについてご紹介していきます。
『プレミアルR70』は、エンボディード・カーボンの削減に貢献する製品として開発されました。LIXILグループ全体で取り組んでいる「環境ビジョン2050」の一環でもあります。
アルミ展伸材のリサイクル率がかなり低いと言われている中で、トステムは70%という業界トップクラスのリサイクル率を実現させる技術ノウハウと実績を有しています。これは、独自の資材供給ルートの構築(アルミスクラップなど)と、25年以上にわたる研究による独自のリサイクル技術の開発がもたらす成果によるものです。
「プレミアルR70」は、原材料管理から溶解、後工程の製造技術に至る不純物除去をはじめとしたLIXILの独自のリサイクル技術により、新地金と同等の品質と性能を実現しています。
アルミは他の金属と比べて融点が低いため、少ないエネルギーで再資源化できる素材であり、リサイクルに必要なエネルギーは新地金を製造する場合と比べてわずか3%です。新地金を使用した製品から「プレミアルR70」へ置き換えることで、CO₂排出量を55%削減することができます。
また、LCA(ライフサイクルアセスメント)を実施し、第三者認証である「【エコリーフ】環境ラベル」※ をビル用アルミ形材で取得しています。
この認証により、エンボディード・カーボンの排出量の数値化を実現しています。日本では、アルミリサイクル率100%の低炭素型アルミ形材「プレミアル R100」の物件対応も開始しており、今後トステムタイでの展開も予定しております。
「プレミアルR70」は、資材調達におけるエンボディード・カーボンの見える化と削減に貢献し、建物の環境価値向上に寄与します。アルミリサイクルによる低炭素社会の実現へとつながります。
日本では、2022年12月からビル向け建材として展開を始めており、住宅用建材や産業品など幅広い業界から注目を集めています。タイでも業種を問わず、環境意識の高いお客様やCO₂に関わる規制対策(CBAM、炭素税等)を検討しているお客様より問い合わせが寄せられています。
今後もアルミ形材をはじめとする自社製品を通して、脱炭素・資源循環型社会の実現に貢献する企業としての取り組みを推し進めていきます。
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