

ベトナムでも自動車部品や半導体装置部品などの製造が拡大し、高品質なねじ加工への要求が高まっています。
ねじ加工工程では、
• タップ寿命が短い
• 工具折損が多い
• 切りくず詰まりが発生する
• バリによる品質不良
といった課題に悩む製造現場も少なくありません。こうした問題は工具交換や段取り替えの増加につながり、生産効率や品質に大きな影響を与えます。
こうした課題の解決に取り組んでいるのが、日本のタップ・ダイス専門メーカー田野井製作所です。転造タップをはじめとする高機能タップ工具の開発により、加工速度や工具寿命を最大2倍クラスまで向上。さらに加工現場の課題分析から導入後の寿命調査まで伴走する独自の提案型サポート「ドクターセールス」により、工程全体の生産性向上を支援しています。
本記事では、ベトナム市場で注目される田野井製作所のタップ技術と主力製品をご紹介します。

田野井製作所は、日本で初めてタップ工具を導入したタップ・ダイス専門メーカーです。陸海軍指定工場として創業し、ねじ切り工具台座やハンドタップの製造から事業を開始しました。
その後、切削ではなく塑性変形によってねじを形成する転造タップ技術を確立。さらに平ダイスや超硬タップの開発など、ねじ加工工具の分野で多くの革新を生み出してきました。
現在は宮城工場と埼玉工場を拠点に、高品質なタップ工具を安定供給。2023年には創業100周年を迎え、長年培ってきた技術力で世界の製造業を支えています。
また、穴拡大を抑える独自構造「Tスパイラル」や、リーマとタップを一体化した工程集約型工具「マルチタップ」など、生産性向上につながる独自製品も数多く開発しています。

田野井製作所の主力製品の一つが、高速加工と長寿命を両立した転造タップ「Wタフレット(W-TFシリーズ)」です。
ねじ山形状の最適化と高精度な表面処理により、加工時の摩擦を低減。さらにTiCNコーティングと耐熱性に優れた高速度工具鋼の採用により、耐摩耗性と耐久性を大幅に向上しています。
実測では、他社製タップと比較して1.8〜2.3倍の工具寿命を記録。
これにより
• 工具交換回数の削減
• 段取り替えの低減
• 加工コスト削減
といった効果が期待できます。
特にSUSなどの難削材加工や、EV部品・半導体装置部品などの高精度加工で効果を発揮します。
転造タップ加工では、材料が盛り上がることで「シーム」と呼ばれる微細なバリが発生する場合があります。このシームは、
切削タップでは、切りくず詰まりによる折損や冷却不足が加工トラブルの原因となることがあります。
田野井では工具販売にとどまらず、加工現場の課題を診断し解決へ導く独自の「ドクターセールス」を推進。加工環境やトラブルの原因を分析し、最適な工具と加工条件を提案する伴走型サポートを行っています。 昨今、ベトナム市場でも導入事例が増えています。日系空圧機器メーカーのベトナム工場では、従来使用していた他社製タップから田野井のシームレスタフレットに切り替えたことで、 【取材協力】 
▲ねじ山形状とコーティングを最適化し、高炭素鋼でも寿命2倍を実現

▲実測で他社比1.8~2.3倍の寿命(20~40m/min)
バリを発生させない「シームレスタフレット」

• 異物混入(コンタミ)
• 斜め締めによる組立不良
• メッキ不良
といった品質トラブルの原因になることがあります。
こうした課題を解決するのが「シームレスタフレット(SL-TFシリーズ)」です。
この製品は、ねじ成形後の戻り工程でサイド刃がシームを除去する独自構造を採用。
これにより
• シームゼロ加工
• 安定しためねじ精度
• 組立不良の低減
を実現します。
EV部品や精密機器部品など、高品質なねじ加工が求められる分野で採用が拡大しています。

▲山頂のシームへの噛み込みを防ぎ、斜め締め不良を解消

▲一般的な転造タップによるめねじ:シームが残存

▲シームレスタフレット:シームを除去し、内径を安定化
切りくずトラブルを解消!ゼロチップタップ

ゼロチップタップ(ZCシリーズ)は、シャンク部にサイドスルー溝を設けた独自構造の内部給油式タップです。
従来の内部給油タップと比較して
• 水流・油量が約2倍
• 切りくず排出性向上
• 加工先端の冷却性能向上
を実現。
止まり穴加工や鋳物(FC・FCD)加工など、切りくずトラブルが発生しやすい工程で高い効果を発揮します。

▲シャンク部にサイドスルー溝を採用

▲止まり穴での水流イメージ
現場課題を解決する提案型営業「ドクターセールス」
具体的には、工具を提供して終わりではなく、実際の加工現場で効果が確認できるまで支援を継続し、万が一不具合が起きた場合には、転造タップへの切り替えなど加工条件や課題に応じた最適な工具を提案しております。
【サポートプロセス】
・使用環境や被削材、加工条件のヒアリング
・タップ折損や摩耗などの原因分析
・現場に最適な工具の提案
・導入後の工具寿命調査(無料)
・経過観察による継続的な改善提案
• ねじ品質の安定
• 工具寿命の改善
• 組立工程トラブルの低減
といった効果が確認され、現在では同製品が全面採用されています。
EV部品や半導体装置関連部品など、高精度加工の需要が拡大するベトナム市場において、タップ工具の性能は生産性と品質を左右する重要な要素となっています。
田野井製作所では、加工条件のヒアリングから工具選定、導入後の寿命調査まで伴走する「ドクターセールス」により、加工現場の課題解決をサポートしています。
株式会社田野井製作所

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