日本品質のシャフトをタイでも!YSK AXXELニュース通信

19/07/2018
サムライ編集部

日本品質の高品質なシャフトをタイで販売し、日系企業、タイローカル企業から全幅の信頼を集めるYSK AXXEL。YSK AXXEL設立の経緯から、これまでの苦労話などを、SIAM YSKならびにYSK AXXELのChief Managerを務める芝原氏に話を伺いました。


芝原 成秋 氏 プロフィール
YSK入社後、名古屋営業所や福島営業所の立ち上げをはじめ、体制作りに尽力し、2014年に来タイ。思慮深さと行動力を兼ね備え、豪快な語り口と人懐こい笑顔は、周囲の人を惹きつけてやまない。厳しい自社スタッフへの指導にも、常に柔和なまなざしがある。



サムライファクトリー編集部(以下サムライ):本日はよろしくお願いいたします。
早速ですが、タイ進出・YSK AXXEL設立の経緯を教えてください。

 

YSK芝原(以下、芝原):本社である株式会社YSKは1966年大阪で創業し、機械の要となるシャフトの生産販売を手がけて以来、お客様に支えられてきました。
日本ではシャフトだけでなく、ブッシュやガイドといった駆動系の部品の販売を行っています。しかし、タイでは規制により販売ができない。YSK製品を「ASEANそして世界に販路を広げていきたい」、その目標の為には販社が必要という結論に至り、2013年に現地企業との合弁でYSK AXXELを設立する運びとなりました。

 

サムライ:そうでしたか。タイに赴任されたのは同時期ですか?

 

芝原:いえ、私が赴任したのは2014年の秋です。忘れもしないお盆の真っ只中、8月15日に社長の石川から「福岡空港で打ち合わせをしよう」と連絡があり到着早々に「タイに行ってくれ」とお話をいただきました。 「いつからですか」と話を聞くと月末との事、話が終わるとそのことだけを告げるために飛行機で福岡にこられ、打ち合わせが終わると大阪に帰られて、いろんな意味で緊急な事情があるのだろうと急いで引継ぎをして、慌ただしく来タイしたのを覚えています。

 

サムライ:本当に突然でしたね(笑)タイに赴任されて色々と苦労があったと伺っております。

 

芝原:これまで日本ではリーマンショック時の拠点立ち上げから体制の構築までを経験し、苦労もありましたので、こちらに来た時も多少の自信はありました。ですが、私の想定をはるかに超えた苦労の連続でしたね、何せ言葉が通じないのですから(笑)
振り返ってみると当時のバンコク営業所は愕然とするほど、すべてが問題でした。「7月に承った注文の資料を出してほしい」といったことも、30分たっても対応できない。スタッフにはこれまでの仕事のやり方を改めさせ、ファイルの綴じ方から指導し直すことから始めました。

 

サムライ:それは想定外ですね……

 

芝原:「これまで教えられたことはすべてNG」。スタッフからすると「何なんだ」という思いだったことでしょう。一人、二人と辞めていき、当時からのスタッフで今も頑張ってくれているのは一人だけです。
さらに、営業と工場の関係も危機的な状況でした。当時の営業は工場の内容も把握せず、加工することができないものを「明後日までに仕上げて欲しい」といった無理難題を度々依頼していたらしいのです。工場サイドからすると「やってられない」といった気持だったでしょうね。
営業サイドの至らなかった点などを洗い出し、「工場側がいかにやりやすい生産体制を築くか」に主眼をおいて組織の再編成、システムの変更、社員教育を幾度となく繰り返してきました。ようやく会社として機能するようになり、「仕事を受けたら大変なことになる」レベルを脱することができました(笑)。


自社製品を手に新人研修を行う芝原氏。普段の柔和な表情とは異なる真剣な眼差しからは、仕事に対する実直な姿勢が見て取れる。

 

サムライ:そのような状況から立て直されたのには感服します。

 

芝原:日本時代の比ではない苦労ばかりでしたが、タイ人の人の良さと当社、工場メンバーには救われました。また良いお客様にお会いできたのが幸運でしたね。

 

サムライ:良い出会いと言いますと?

 

芝原:タイの某栄養ドリンクメーカーの製造ライン装置作りを手伝わせてもらったことが幸運といいますか、当社の転機でしたね。
当社、営業スタッフが図面を私に見せた時に、この部品を使用しているのであれば他にも色々あるはずだ。と客先へすぐに訪問。客先のタイ人スタッフ様より「ローカルで加工依頼しても精度が上がらず、当社の組み立てチームがかなり困っている」ということでした。当社の日本での仕事やシャフトメーカーの実績などをご紹介させてもらいましたが、一度しかお会いしていない日本人の私を信用し「YSKにお願いします」と、大口の受注をいただくことになったのです。これまでYSKが積み上げてきた経験、YSKの矜持を示す最上の機会をいただけた瞬間でした。

 

※写真はイメージです

 

サムライ:今後についてはどのようにお考えでしょうか。

 

芝原:先程お話した出会いやタイで生き残る企業として、「タイローカル企業様とのつながりを強化していきたい」と考えるようになりました。日系企業様のみならず、ローカルの企業様とのビジネスを継続・強化することで会社の規模は自ずと大きくタイ企業の一角として展開が広がっていくであろうと考えております。


そして問題は山積みですが、当社タイ人スタッフを先頭に立たせたいと熱望しています。
ヘッドハンティングでたつのではなく「YSKAXXELの社員としてどういう姿勢で仕事を行うか,役職者がどうあるべきか、客先だけではなく協力企業様に信頼を頂ける企業としてどう行動すべきか」といった基礎から中堅クラスの教育をタイ人スタッフに指導しています。国が違うので理解するのも難しいということはよくわかっていますが真のビジネスの仕組みを理解し、タイ人スタッフだけでも十分に事業を継続できるような人材の育成、仕組みづくりに取り組んでいます。


そうすることで会社の転機となるきっかけを与えてくれたタイ人、ひいてはタイへの恩返しとなることを願っています。
そして、あくまで私の目標ですが、まずはYSK AXXELを100人規模の会社にしていきたい。 そして当社、社長の石川も常日頃言っておりますが、ASEANに販路を拡大するため、タイに3拠点、次にインドネシア、マレーシア、ベトナム、カンボジアにも拠点を作りたいと考えております。

 

サムライ:あえて高い目標を設定するのはYSKさんらしいですね。

本日はお忙しいところありがとうございました。


YSK AXXELのスタッフたち。同社の未来を担う中核メンバー候補でもある


グループ会社であるSIAM YSKの工場。ここで生産された高品質なシャフトがYSK AXXELを通じてタイ各地に出荷販売されており、タイの製造業を支える重要な供給拠点となっている