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同じJIS記号◎で異なる定義を持つ位置公差「同心度・同軸度」
基礎から学ぶ幾何公差(GD&T)講座Vol.2
14/03/2025
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Accretech (Thailand) Co., Ltd.

基礎から学ぶ“幾何公差”シリーズ。測定において欠かすことのできない重要な基礎知識をご紹介!

前回、第1弾では、位置度について解説を致しましたが、今回、第2弾では、位置公差のなかでも定義の違いがわかりづらく、間違えやすい「同心度」「同軸度」について解説していきます。
今回はACCRETECHタイのセールスエンジニア人見とセールスマネージャーのポムがナビゲートを務めます。



位置公差 同心度 同軸度


図面の中で◎の記号がでてきたのですが、確か2つの特性がありましたよね?
図面によってどう見分ければいいか迷っています…!

◎の記号が表すのは「同心度」と「同軸度」ですね。それぞれの定義はわかりますか?


図面上での違いを説明するのは難しいですね…測定を行っているお客様からも判断に迷うことが多いと相談されたことがあります。


同心度も同軸度も位置公差の1種です。JIS記号は同じ「◎(二重丸)」で表記されます。基本的にこの2つは同じ評価になり、対象物の軸の中心がいかにズレていないかということを示しますが、それぞれに細かな違いがあるので解説しましょう。



同心度|中心点のズレを評価

まず、同心度は二つの円の中心位置がどれだけ同じ位置にあるかを評価する物です。つまり、真上から見た時の中心の点だけを見るという事です。


【同心度】
データム円中心に対する、他の円形形体の中心の位置の狂いの大きさ

位置公差 同心度


例えば、図の円柱のワークの中心を見たとき、2つの円柱の中心の狂いの大きさが同心度になります。わかりやすくすると、右図の赤い円と黒い円の中心とのズレが同心度ですね。この図面ではズレ量をφ0.1の範囲に収めるという指示を表しています。


同軸度|中心線(中心軸)のズレを評価

続いて、同軸度です。2つの軸(穴やシャフトの中心軸)がどれだけ同じ位置にあるかを評価する物です。これは、中心の位置だけじゃなく、中心軸の傾きも考慮されます。


【同軸度】
データム線直線と同一直線上にあるべき軸線のデータム軸直線からの狂いの大きさ

位置公差  同軸度


例えば、上図のような径が異なる円柱が組み合わさったワークの場合、径が大きい円柱と径が小さい円柱の軸の狂いの大きさが同軸度です。右図の赤い中心線が評価する軸であり、そこのズレ量をφ0.1の範囲に収めることが指示されています。同軸度は、一般的にデータム軸から一番離れた軸の端で評価します。


なるほど!ポイントは、同心度が「中心点」で同軸度は「中心線」ですね!



部品の形状も判断材料!同軸度の方がより厳しい評価になる傾向

位置公差 同心度 同軸度


少し応用編として、このようなパターンもあります。3つの円柱部品が連なっている図面ですね。
この場合は、データムAとBで軸を作ります。評価は一般的に同軸度を基準とします。AとBの軸を結んだ基準と比較したズレ量がφ0.1以内という指示ですね。


なるほど! あまり意識していなかったけれど言われてみれば図面でよくみる項目です。


同心度と同軸度はどのように使い分けたらよいのか、明確に決まっている訳ではないですが、一般的にはワッシャーのような平たいワークに穴が開いている場合は同心度で評価し、シャフト(長物部品)のような軸があるものは同軸度として評価することが多いです。どちらも軸の中心のズレを定義していますが、同軸度の方がより厳しい評価になるので、迷った場合は同軸度を基準として測定を行えば、不良の発生を防止しやすいとも言えます。



真円度・直径・表面粗さなど多様な測定項目を1台で網羅!
真円度・円筒形状測定機RONDCOM NEX シリーズ

真円度円筒形状測定機 東京精密

今回取り上げた「同心度」「同軸度」の測定は、主に真円度・円筒形状測定機が用いられます。Accretech(東京精密)では、2014年にリリースしたRONDCOM NEX(ロンコムネックス)シリーズをおすすめしています。



積載質量やコラムサイズ、必要な測定項目などに応じて機種を選択できる豊富な製品ラインナップが特長。1台で真円度・直径・表面粗さなどの多彩な測定機能がカスタマイズ可能です。
「AFD(測定力コントロール検出器)」や「XY軸自動ステージ」などの省力化オプションを組み合わせることで工程を自動化し、測定効率を各段に高めます。


ロンコムネックス1台あれば、正確な真円度測定が簡単に行えるというわけですね!


その通り!バンコク、チョンブリの各ショールームにデモ機があるのでお客様のワークでのテスト測定のご相談や、使用レクチャーなども随時対応していますよ。
タイに在庫機の用意もありますので、短納期でご案内可能です。


▲左から、Accretechタイランド セールスポム、セールスエンジニアマネージャー人見、セールスマネージャー浅野

▶ 基礎から学ぶ幾何公差(GD&T)講座シリーズVol.1 「位置度」



タイで各種精密測定機器(三次元測定機・真円度測定機)をお求めの方は、下記フォームからお問い合わせください。

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