2022年4月よりKITAGAWA (THAILAND) Co., Ltd.に赴任した玉里です。
当社は、旋盤用チャックをはじめとした、デザインチャック・NC円テーブル・グリッパー(ロボットハンド)などの機械加工に欠かせない工機製品を取り扱っています。
今回は、22年7月に販売開始となった標準チャックBRシリーズのポイントおよび、kitagawaの強みについてご紹介していきます。
多品種少量生産に最適なロボット活用例
今回、BRシリーズのラインアップに初めて2爪チャックが加わりました。
■ 2爪高精度大貫通穴径中空パワーチャック BRTシリーズ
北川鉄工所史上、最高把握精度の2爪標準チャックであり、旋盤での高精度な異形物加工に最適です。
ワークの加工品質や加工時の安全性に直結する把握精度は、0.01mm T.I.R.以下。且つ、従来の標準チャックよりも浮き上がりを軽減させたことで、加工品質の安定を実現しています。 また、2021年には、BRシリーズの「ジョー再成形を不要にする高精度パワーチャックの開発」技術が評価され、日本機械学会賞※を受賞しています。
オプションのT-nut-Plusを使用すれば、ジョーの脱着時の再現精度0.01mm T.I.R実現が可能です。
※「日本の機械工学・工業の発展を奨励する」ことを目的として1958年に設けられた賞。機械工業に関する新技術で画期的な新製品の開発、製品の品質または性能の向上あるいは生産の向上に寄与し、経済および社会的に貢献する技術や製品に贈られる。
▶︎ BRシリーズ特長詳細
中国で高精度チャック需要拡大
安定供給できる製造体制と広い販売拠点が強み
機械加工精度の鍵を握るチャック。日系のモノづくり現場においては、チャックの重要性理解およびkitagawaブランドの業界シェアは高いですが、世界規模ではシェア10%程度と、まだまだ積極的なPRが必要です。
一方で、近年中国市場でのkitagawa製チャック需要が拡大しています。工作機械(旋盤)の性能が高くなかったとしても、チャックの品質で精度が出せるという認知が広がり、コストを抑えて製品精度を上げたいという需要が中国系メーカー・商社を中心に高まっているためです。 私たちは、以下のような強みを武器に、より一層タイでの拡販に努めていきます。
<kitagawa(北川鉄工所)の強み>
✔日系チャックメーカーでは最大規模の販売拠点
チャックを取り扱うメーカーで最大規模の販売網(拠点)があり、タイに支店のある日系チャックメーカーは北川鉄工所だけ。
✔高精度な製品を海外向けにも安定供給できる体制
日本でのチャック月産台数は約3000台。
自社で製造しているからこそ、海外拠点へも安定的に製品が供給できる。
✔チャックの高精度(把握精度)
日系大手工作機械メーカー複数社が標準採用。
機械加工の要となる把握精度は、業界トップクラスを誇る。
お客様の顔が見える環境を活かして今後はタイローカル企業向け営業を強化
私は、タイ赴任以前、海外営業部にてアメリカとメキシコエリアを担当していました。北米・中米に比べると、タイはエンドユーザーをはじめとするお客様の顔が見えやすく、距離が近い環境なので、密にコミュニケーションがとれるという点で営業活動はしやすいです。
しかしながら、自動化導入率や製造現場の環境品質などを比較すると、まだまだ発展途上にあると感じています。裏を返せば、まだまだ需要の伸び代があるということです。
これまで当社は、日系のお客様を中心に営業活動を行ってきましたが、今後は、タイ人スタッフ主導のローカル向け営業を強化していきます。特に、昨今では台湾製メーカーからの引き合いも増えているため、台湾系メーカーの機械を扱っている商社に注力していく所存です。