本プロジェクトでは、2社それぞれに日本人&タイ人のプロジェクトマネージャー(PM)チームを配置する体制が採用された。
日本人:予算やスケジュールなどのプロジェクト全体管理&最終意思決定
タイ人:業務整理・要件具体化
上記のような役割分担と2社のPM同士での細やかな連携により、英語を介したコミュニケーションで発生しがちな認識のズレを最小限に抑えることができたという。
また、現場業務を理解するタイ蝶理タイ人スタッフと、プロジェクト全体管理を行うタイ蝶理日本人の調整役としてThaiNSが間に入り、要件定義における両者間の理解や落としどころを探るサポートやアドバイスを行ったことで、実務に即したシステム設計が実現された。
最終的には本要件定義がタイ蝶理での業務フローの整理になり、フローシートとして可視化できたことで、組織内の共通認識形成にも寄与できたと評価の声があがっている。
「システム導入の知識や経験豊富なThaiNSスタッフが要件定義における的確なアドバイスを提供してくれました。弊社内の日本人・タイ人それぞれの要望を整理して認識のズレをなくす役割を担ってくれたので、PMとしてもプロジェクトを進めやすかったです」(Netnapa氏)
導入効果|業務に支障のないスムーズな稼働。大幅な業務効率化
2026年1月の本番稼働以降、大きなトラブルは発生しておらず、システムは安定的に運用されている。
導入効果としては以下が挙げられる。
• 業務プロセスの標準化による作業手順の統一
• 属人業務の削減によるヒューマンエラー低減
• 処理スピード向上による業務リードタイム短縮
• クラウド化により、拠点を問わない承認・業務遂行が可能に
ThaiNSのサポートにより、タイ蝶理の現場スタッフは短期間で新システムを習熟し、問い合わせ件数も大幅に減少するなど、現場定着も順調に進んでいるという。
「ThaiNSチームは、課題を的確に理解し、迅速かつ的確に私たちの質問や疑問に回答してくれました。また、要望通りに対応できない場合でも、代替案を提示していただき、業務が滞りなく進められています」(Kittitara氏)
今後の展望|Microsoft 365を基軸とした更なる効率化に期待
今後は保守契約をベースに、さらなる機能強化が検討されている。具体的には、Microsoft 365との連携強化やワークフローの高度化、AI(Copilot)活用などが視野に入っている。
さらに、本社(SAP)とのデータ連携による経営ダッシュボード構築も検討されており、グローバルでのデータ活用が加速する見込みである。
タイ蝶理の事例は、ERP導入において「標準化」「グループ展開」「ローカライズ」の3要素をバランスよく実現した好例である。タイ進出企業にとって、単なるシステム刷新ではなく、業務改革を見据えたERP導入が今後ますます重要になるといえる。

▲左から、ThaiNS 雪江氏・Ornticha氏 ・Chayapa氏、タイ蝶理 Netnapa氏・Kittitara氏・永井氏
【取材協力】

Thai Chori Co., Ltd.
永井 匡史 Tadashi Nagai
Director / Administration & Accounting Dept.
Netnapa Tongkaeg
Administration & Accounting Dept. / Accounting Team
Kittitara Phinichwacha
Textile Raw Material Dept.

Thai NS Solutions co., Ltd.
雪江 一志 Hitoshi Yukie
General Manager / Marketing and Sales Dept.
Chayapa Prappet
Manager / Systems Planning & Engineering
Ornticha Danviroonhavanit
Assistant Manager / Systems Planning & Engineering
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