硬度計の性能を最大限に発揮させるためには、日常点検に使用される周辺機器の精度と信頼性が重要です。
菱光社タイランドでは、現場での品質管理を支える「硬さ基準片(スタンダードブロック)」および「圧子(インデンター)」を、多様な測定方式や国際規格に準拠したラインアップで取り揃え、測定環境における信頼性向上と精度維持を強力にサポートしています。
今回は、日々の点検作業や定期的な校正に不可欠な硬さ基準片および圧子について、特長と活用ポイントをご紹介します。
硬さ基準片とは、各種硬さ試験における圧子・荷重・くぼみ計測・試料条件といった複雑な要因を総合的に確認するための標準試験片です。測定の信頼性を確保するため、硬さの均一性や経時変化の少なさ、実用材料に近い特性が求められます。
JIS規格では、測定前に5回の試験を行い、平均値が基準内に収まるかを確認することが求められており、多くの現場では1日に数回の測定を行い、平均値が所定の範囲内であることを確認して使用の可否を判断します。
使用頻度が高く圧痕ができるため、定期的な交換が必要であり、大手工場では年間50個程度、中小規模でも10個前後は使用される消耗品です。
素材や試験の測定方法に応じた専用の基準片(鉄・アルミ・プラスチック用など)が必要で、測定対象や使用する硬度計に合わせた選定が重要です。
【 菱光社タイでの主な取り扱いメーカー】
・山本科学工具研究社(日本)
日本国内シェアNo.1。「硬さばらつきゼロ」を掲げる高精度な硬さ基準片の専門メーカーとして、70年以上にわたり国内外の産業や研究機関から信頼され、日本はもちろん欧米・アジア各国でも広く採用されています。
・アサヒ技研(日本)
1988年より硬さ標準片・シャルピー基準片の製造販売を行い、グループ会社の旭工業所と共に受託の試験片加工や引張・衝撃・硬さ試験の受託も手がけています。
・SUN-TEC(米国)(フューチャーテック推奨メーカー)
米国デトロイトを拠点に自動車、航空宇宙など各産業分野向けの硬さ試験機と試料作製装置を提供する専門企業です。
【対応規格】
・国際規格:ISO ※ISO 17025認証取得品取り扱いあり
・日本規格:JIS/JCSS
・アメリカ規格:ASTM
・欧州規格:UKAS
ロックウェル(HRC)、ビッカース(HV)、マイクロビッカース(HMV)、HS(ショアー)など、試験方法によって使用する基準片が異なります。試験方法と希望の硬度値を指定していただき、ニーズに応じた適切な製品の提案が可能です。
インデンターは、硬度試験において材料に荷重を加え、圧痕の深さや大きさから硬さを測定するための重要な部品であり、摩耗や劣化により定期的な交換・再調整が必要です。
菱光社タイランドでは、標準仕様だけでなく細径や長尺、内径測定用など特殊仕様のカスタム製作を承っております。主な材質は、ダイヤモンドおよび超硬合金(カーバイト)などがあり、使用機種や測定条件に応じた最適なご提案が可能です。
どれだけ高性能な硬度計であっても、基準片やインデンターなどの周辺機器が不十分であれば、測定結果は正確とは言えません。「測る」信頼性を維持するには、「測定の基準を守る」視点が必要不可欠です。
菱光社タイランドでは、現場の用途や測定対象、管理基準に応じた製品提案から、アフターサポートまでをワンストップで対応。東南アジア地域における日系ものづくり企業の品質保証を、足元から支え続けています。